【千葉×清水】 失われないオシムイズム
|
|
|

■ J1リーグ・第2節 その1
開幕戦でG大阪とスコアレスで引き分けたジェフ千葉が清水エスパルスと対戦。清水は開幕戦で大分に1対2で敗退。連敗は避けたいところである。
千葉は<4−4−2>を採用。GK立石。DF松本・ボスナー・斎藤・坂本。MF中島・下村・工藤・青木孝・馬場。1トップは巻。
対する清水も<4−4−2>。GK西部。DF辻尾・青山・高木和・児玉。MF本田拓・伊東・藤本・枝村。FW矢島とフェルナンジーニョ。開幕戦でフィットしなかったFWマルコス・アウレリオに代わって前節でゴールも挙げているMF枝村が先発出場。
■ 今シーズン初勝利
試合は、前半8分に清水のMF藤本が弾丸ミドルを決めて先制する。その後は、パスがつながらない千葉を尻目に清水が試合を支配するが、前半38分にMF馬場に代わって途中出場したMF谷澤がPKをゲット。FW巻が決めて1対1の同点に追いつく。
この1点で完全にリズムをつかんだ千葉は両サイドを生かした攻撃で清水を押し込む。しかしながら、後半39分に清水のFW岡崎がドリブルからミドルシュートを決められて1対2と勝ち越しを許す。千葉は191cmのボスナーを前線に上げてパワープレーを試みるが不発。結局、2対1で清水が勝利し、今シーズン初勝利を挙げた。
■ 長谷川監督の決断
清水は苦しみながらも初勝利をr挙げた。まだ、攻撃陣が本来の力を発揮できておらず、個の力頼みではあるが、MF藤本とFW岡崎の2発で勝ち点「3」をもぎ取った。開幕戦で動きの悪かったFWマルコス・アウレリオをあっさりとスタメンから外し、調子が良さそうだったMF枝村を起用した長谷川監督の決断がうまくいった。
シーズン前からFWマルコス・アウレリオは期待大の選手であって簡単に外すことは難しいが、それでもプロフェッショナルに徹した長谷川監督の姿勢は評価できる。他チームを見れば分かるように、大金をはたいて獲得した選手はコンディションが悪くても起用せざる得ない空気になってしまって、多くの場合、傷口を広げる要因になってしまうのである。
■ 先制点のMF藤本淳吾
先制点を挙げたMF藤本淳吾。今シーズンは左の攻撃的MFで起用されており、ポジション自体は昨シーズンと同様だが、反対サイドには病気で離脱中のMF兵働ではなく、ボランチ色の強いMF伊東が起用されている。したがって、昨シーズンと比べると、やや左肩上がりの中盤になっており、藤本に与えられる攻撃面での自由度も高くなっている。
開幕戦でも動き自体は悪くなく、そして何よりも「自分で試合を決めてやろう」、「自分がチームを引っ張ってやる」という強い意欲が感じられる。その左足の精度の高さはJリーグでも最高級であり、さらにキープ力やドリブルでの打開力にも大きな魅力を持つ。今シーズンの爆発の予感が漂う。
■ 一変した千葉のサッカー
この試合の千葉は、立ち上がりから受け身の姿勢が目立ち、前半8分に清水に先制ゴールを許した。G大阪戦でも同じ傾向が見られたが、ビルドアップが全く形になっておらず、ボールをもった選手がパスの出しどころに困って味方を叱責する姿が目に付いた。この時点では、昨シーズンの第2節の同カードと同じ一気に大量失点を食らう展開も想像できた。
しかしながら、前半30分にMF馬場に代えてMF谷澤を投入し立て直しを図ると、そのMF谷澤がPKを獲得し、そのPKをFW巻が決めて今シーズンのチーム初ゴール。すると、その後はサッカーの質が一変した。
MF下村とMF中島がしっかりと中盤のフィルター役になって相手の攻撃の芽を摘み取り、さらには機転の利いた展開力で両サイドバックの攻撃参加をうながした。G大阪戦から同点ゴールの時間帯までは、奪ったボールをチームとしてどうつないでいくのかまったく見えてこなかったが、1点を奪ったことでチームが落ち着きを取り戻し、しっかりとつなぐことが出来るようになった。
■ 失われていなかったひたむきさ
結局、不用意にボールを失ったことが致命傷になって後半終了間際にFW岡崎に決勝ゴールを奪われてホームで黒星スタートとなったが、先につながる戦いができたことは間違いない。シーズンを通して楽な戦いにはならないだろうが、今シーズン、どう戦っていくのかを多くのサポーターの前で示すことはできただろう。
その根底にあるのは”ひたむきさ”。イビチャ・オシム元監督のサッカーを一言で表現すると、「考えて走るサッカー」ということになるが、そのベースには、フィールド上のすべての選手が全力で自分たちの出来ることをひたすらやり遂げる強い意志があった。
今オフ、MF羽生、MF山岸、MF佐藤、MF水野、DF水本と5人の日本代表クラスの選手がチームを去った。確かに、かつてのエレガントさは失われたかもしれない。ただ、何人選手が変わっても、オシム氏が残したサッカーに対するひたむきな精神は失われていなかった。
結果は出なかった。しかしながら、この試合で、FW巻、MF下村、MF坂本らが見せた全力で戦う姿勢は、きっと、このチームを好転させる大きなエネルギーとなるだろう。
ジェフ千葉:選手採点
GK:立石 6.0
→ ファインセーブも多かったが、ミドルシュートのどちらか1本くらいは止められなかったか・・・。
DF:松本 5.5
→ 児玉にうまく対応されてスピードを生かせなかった。
DF:ボスナー 6.5
→ 意外な俊敏性も見せた。パワープレーは不発。
DF:斎藤 7.0
→ 高い集中力を見せた。
DF:坂本 6.5
→ 気の利いたプレー。大きな存在。ただ、もう少し彼の攻撃力を生かしたい。
MF:中島 4.5
→ 中盤で危ないボールの取られ方が多すぎた。守備は悪くない。
MF:下村 5.5
→ やや精度を欠いたが中盤で核となった。
MF:工藤 5.5
→ 前半は消えていたが、徐々に存在感を発揮し始めた。
MF:馬場 5.5
→ うまくボールに触ってリズムを作ろうと苦慮したが前半途中で谷澤と交代。
MF:青木 5.0
→ 思い切りを欠いたプレーでチャンスを作れず。
FW:巻 6.0
→ なかなかボールが回ってこなかったが、プレー精度は高かった。
サブ:谷澤 7.0
→ 予想以上に戦える選手であることをサポーターに示した。PKを獲得。
サブ:金澤 採点なし。
→ コメントなし。
◆ J1/J2 第1節 レビュー
【FC東京×神戸】 カボレの片鱗
【鹿島×札幌】 自信を失うJ2王者
【名古屋×京都】 PIXYが披露した美しいサッカー
【G大阪×千葉】 復調を予感させる巻誠一郎
【水戸×C大阪】 大きな可能性を秘める18歳のふたり
【川崎F×東京V】 3トップに賭ける夢
サガン鳥栖×モンテディオ山形 (投稿者:ワッキーリグさん)
【横浜FM×浦和】 レッズは優勝候補といえるか?
【大宮×新潟】 覚醒するペドロ・ジュニオール
【柏×磐田】 過去の幻想に苦しむジュビロ
【清水×大分】 新しい2トップの差
■ ジェフ千葉(カテゴリー)
0089 2006/02/01 ジェフ千葉 クルプニが加入
0092 2006/02/04 アジアの虎 チェ・ヨンス退団
0138 2006/03/18 【千葉×福岡】 苦しむジェフ千葉
0279 2006/07/23 【広島×千葉】 フル代表入りが期待される山岸
0283 2006/07/26 【京都×千葉】 真夏の好ゲーム
0288 2006/07/31 【千葉×名古屋】 ヨンセンは間違いなく本物!!!
0313 2006/08/21 【千葉×東京】 復調の兆し?
0344 2006/09/10 【千葉×清水】 5人目の逸材
0351 2006/09/17 【C大阪×千葉】 美しいナイトマッチ LIVE
0372 2006/10/08 【浦和×千葉】 正しいジャッジだったのか?
0390 2006/10/28 【名古屋×千葉】 日本最高のスタジアムで・・・ LIVE
0397 2006/11/04 【ナビスコ決勝:鹿島×千葉】 心を打つ千葉のサッカー
0403 2006/11/08 【千葉×札幌】 潜在能力の高さを示したコンサドーレ札幌
0421 2006/11/19 【G大阪×千葉】 不細工な勝ち点「3」
0461 2007/01/12 阿部勇樹の移籍
0521 2007/03/11 【千葉×清水】 フクアリという名の劇場で LIVE
0530 2007/03/17 【千葉×鹿島】 復調の兆しは見えたか?
0557 2007/04/08 【千葉×横浜FC】 階段を駆け上がる水野
0576 2007/05/06 【千葉×柏】 興奮のダービー
0578 2007/05/12 【FC東京×千葉】 起爆剤・リチェーリ
0588 2007/05/20 【千葉×広島】 埋まらない穴
0595 2007/05/27 【千葉×G大阪】 信じることの大切さ
0613 2007/06/17 【千葉×甲府】 巻誠一郎の持つ才能
0618 2007/06/23 【千葉×新潟】 躍進を支えるふたりの充
0648 2007/07/14 オシムはジェフの選手を「ひいき」してはいないか?
0686 2007/08/13 【千葉×川崎F】 さようならアマル
0695 2007/08/18 【千葉×磐田】 救世主の予感
0711 2007/08/29 【千葉×大分】 水野晃樹の左足
0762 2007/09/30 【千葉×FC東京】 これ以上ないほどのエレガントさ
0769 2007/10/08 【甲府×千葉】 切り札の差
0782 2007/10/20 【千葉×浦和】 長谷部誠と阿部勇樹
0792 2007/10/27 【広島×千葉】 ロスタイムの悲劇
0805 2007/11/10 【G大阪×千葉】 バレーの威力
0849 2007/12/01 Jリーグ クラブ別大総括(19) ジェフ千葉編
0894 2008/01/10 坂本将貴のジェフ復帰報道
0901 2008/01/15 羽生直剛の移籍
0904 2008/01/19 ジェフ千葉の逆襲
0915 2008/01/27 スポーツ報知がアンチ・オシム(アンチ・ジェフ)なのは何故?
■ 清水エスルス(カテゴリー)
0004 2005/11/27 ミスターエスパルス 沢登引退
0051 2006/01/02 【天皇杯決勝:浦和×清水】 期待のもてる敗戦
0137 2006/03/18 【FC東京×清水】 ニュースター 俊輔2世の誕生
0167 2006/04/19 【鹿島×清水】 目を覆う本山の不振
0280 2006/07/24 【京都×清水】 終了間際のドラマ LIVE
0317 2006/08/27 【大分×清水】 躍進する両チーム
0344 2006/09/10 【千葉×清水】 5人目の逸材
0354 2006/09/20 【清水×鹿島】 アウェーの国立
0360 2006/09/23 【浦和×清水】 ビッグクラブとしての使命
0393 2006/10/29 【G大阪×清水】 優勝戦線に残ったガンバ
0401 2006/11/05 【天皇杯:清水×栃木SC】 4得点の衝撃!!!
0460 2007/01/11 07年展望・4 清水エスパルス
0468 2007/01/19 最後の背番号10 沢登正朗
0469 2007/01/21 [Live] 沢登正朗 引退試合
0495 2007/02/13 ロッソ熊本の騒動
0521 2007/03/11 【千葉×清水】 フクアリという名の劇場で LIVE
0561 2007/04/15 【川崎F×清水】 止まらないジュニーニョ
0608 2007/06/10 【清水×FC東京】 悪魔の左足
0691 2007/08/16 【大分×清水】 残留へのキーマン
0708 2007/08/27 【清水×川崎F】 フェルナンジーニョとフランシスマール
0714 2007/09/01 【磐田×清水】 アンビバレントなダービーマッチ
0733 2007/09/15 【清水×甲府】 俺達は甲府を信じて唄い続ける
0794 2007/10/27 【清水×G大阪】 ストップ・ザ・レッズ
0814 2007/11/17 【清水×広島】 偉大なプレーヤーの400試合目
0859 2007/12/02 Jリーグ クラブ別大総括(28) 清水エスパルス編
人気ブログランキングに参加しています。「この記事が面白かった。」というときは、応援のクリックをお願いしますね。

