Jリーグ クラブ別大総括(31) 鹿島アントラーズ編
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鹿島アントラーズの2007年シーズンを振り返る。
■ 夢の10冠達成
10個目のタイトルを目指して、オリベイラ監督が就任した鹿島アントラーズ。サンパウロからDFファボンとMFダニーロを獲得し、万全の体制でシーズンに挑んだ。
しかしながら、開幕ダッシュには失敗。MF野沢を怪我で欠く中で司令塔を任されたMFダニーロが期待外れ。最初の5試合で2敗3分けと、チーム史上最悪のスタートとなった。
しかしながら、シーズン中盤以降に取り戻す。最後は、9連勝でフィニッシュし、最終節で浦和レッズを逆転。見事に、チーム史上10個目のタイトルを獲得し、08年のACLの出場権を獲得した。
■ オリベイラ監督の手腕
アウトゥオリ監督が退任し、監督に就任したオリベイラ監督は、実に見事なチームを作った。
鹿島の監督は、伝統である『アントラーズらしいサッカー』をすることが求められる。したがって、自分の色を出すことは簡単ではなく、チーム作りにも一定の制限が課せられる。世界クラブ選手権を制したアウトゥオリ前監督もこの制約には苦しんだ。
そんな中で、オリベイラ新監督は、アントラーズサッカーのよさを残しつつ、そのサッカーを発展させることに成功した。伝統のブラジル系のサッカーに欧州型サッカーの良さをミックスさせた、非常に近代的なチームを作り上げた。
堅実な守備力をベースに、FW田代、MF野沢、MF本山、DF内田らの能力をうまく引き出し、リーグ戦では破竹の9連勝で大逆転でタイトルを奪取。自分たちのサッカーを押し出すだけでなく、適度に相手チームのよさを消すことも出来る柔軟性も備わっていた。
大逆転でのリーグ優勝となったが、振り返ってみると、最もリーグ制覇にふさわしいサッカーを見せたチームが、最終的には、タイトルを獲得した印象であった。
■ 大きかった小笠原の復帰
後半戦から、メッシーナのMF小笠原満男がチームに復帰し、主にボランチとして、チームの舵取り役を担った。長短のパスを織り交ぜた小笠原のプレーがチームに落ち着きを与え、後半戦の躍進には、MF小笠原の存在が大きかった。
小笠原の復帰に伴って、MF中後、MF青木、MF増田といった若手選手の出場機会が失われてしまったが、その高いパフォーマンスを見れば、致し方ないだろう。ポジションを一列下げたことで、得意のミドルパスを披露する回数が増え、精度の高い中距離のパスがチームにダイナミズムを与えた。
イタリアで1シーズンを過ごした直後のJへの復帰であり、コンディションは万全ではなかったはずだが、それでも小笠原は小笠原だった。ドイツW杯以降、日本代表からは外れているが、もう一度、代表の座を狙って欲しいところである。
■ マルキーニョスの働き
清水から獲得したFWマルキーニョスは、エースとしてリーグ戦で14ゴール7アシストの活躍。自らのゴール以外でも、豊富な運動量と味方を生かすフリーランニングで、フォワードの中心となった。ポスト役のFW田代と組んだときも、オールラウンド型のFW柳沢と組んだときも違和感無く機能し、欠かせない存在となった。
2001年に来日してから、東京V、千葉、横浜FM、清水とどのチームにおいても、コンスタントに2桁のゴールを記録できるマルキーニョスであったが、またしてもフロントの期待通りの活躍を見せた。
■ 岩政の台頭
サンパウロFCから加入したDFファボンは、序盤戦こそ高さと強さを生かしたプレーでポジションをつかんだが、怪我もあって、次第にスタメンからは外れるようになった。そんな中、DFラインのリーダーとなったのは、25歳のDF岩政大樹である。
187cmの高さはゴール前の赤い壁となり、コンビを組むことの多かったDF大岩との連携も破綻はなかった。セットプレーでのゴールの多さも魅力であり、リーグ戦では6ゴールを記録。リーグ最高クラスのDFとなった。
スピード不足が不安視されるが、絶対的な空中戦の強さは魅力であり、十分に代表に招集される資格を備える。
■ 黒子に徹する本山
今シーズン、もっともイメージチェンジを果たしたのがMF本山である。ユース年代から特出したドリブラーだったが、近年は切れを失ってきており、不満の残るシーズンを送り続けていたが、久しぶりに充実したシーズンを送った。
かつてのような華やかなドリブル突破は見られなくなったが、中堅の年代になって、ゲームを読む力が増して、オールラウンドなミッドフィールダーに変貌を遂げた。本山が守備に奔走する姿は、かつては想像もできなかった。
年を経て、全盛期のプレーとのイメージギャップに苦しむ選手が多い中、見事な復調を遂げた。これで、もう少し、ドリブルのキレが戻ってくれば、鬼に金棒であるが・・・。
■ ダニーロ不発
一方で、サンパウロの10番として、大きな期待を背負ってチームに加入したMFダニーロは、全くの不発だった。シーズン当初から日本の特徴であるスピードのあるサッカーに対応できず、いいところを見せられなかった。
結局、リーグ戦の11試合目からは、サブに降格したが、シーズン序盤の失態は、ダニーロにこだわりすぎたのが、原因の1つであった。中盤戦以降は、高さとキープ力を生かした逃げ切り要因としてスーパーサブとして、ある程度機能したが、リーグ戦ではノーゴール。インパクトのある活躍は出来なかった。
■ ACLへの期待
今シーズンのリーグ戦を制したことで、08年シーズンは、ACLに参戦することになる。当然のことながら、グループリーグ突破は最低ラインの目標となる。選手層を考えると、サブメンバーにも、FW柳沢、FW興絽、MF増田、MF中後といった力のある選手もそろえており、不安はない。
期待したいのは、FW田代、MF野沢、DF岩政といった次代の中心選手の更なる覚醒である。ACLを経験した浦和や川崎Fの選手は大きく成長を遂げた。
■ 鹿島アントラーズ(カテゴリー)
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0281 2006/07/25 【FC東京×鹿島】 別格の小笠原満男
0345 2006/09/10 【鹿島×京都】 不振の柳沢敦
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0508 2007/02/25 【PSM:水戸×鹿島】 茨城ダービー
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0652 2007/07/15 【鹿島×広島】 小笠原満男の是非
0717 2007/09/02 【鹿島×川崎F】 小笠原の効果
0823 2007/11/24 【浦和×鹿島】 内容の伴った価値のある勝利
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07年 クラブ別大総括(7) アビスパ福岡編
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07年 クラブ別大総括(9) セレッソ大阪編
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□ Division1 クラブ別大総括
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