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Jリーグ クラブ別大総括(30) 浦和レッズ編 | | このエントリーを含むはてなブックマーク | 

浦和レッズの2007年シーズンを振り返る。



■ オジェック監督の復帰

06年にチームを初めての年間王者に導いたブッフバルト監督が勇退し、ドイツ人のオジェック監督が11年ぶりに古巣の監督に復帰。ACLとリーグ戦のダブルタイトル獲得を目指して、チーム作りを行った。

選手の入れ替えは最小限にとどまり、左サイドのMF三都主アレサンドロがオーストリアのザルツブルグに移籍し、新加入選手として加入したのは日本代表のMF阿部勇樹のみだった。

迎えたシーズンは、決して万全のチーム状態ではなく、故障者の続出に苦しんだ。MF小野はシーズンの終盤のほとんどを欠場し、DF闘莉王も春先から故障を抱えてのプレーが続き、万全とは程遠かった。FW田中達也も昨シーズンの怪我の後遺症でシーズン前半を欠場した。

結局、イラン代表のセパハンとの激闘を制して日本勢としては初めてのACL王者となったが、超過密日程が災いしたのか、リーグ戦は終盤に失速。残り5試合で2敗3分けに終わり、鹿島アントラーズに逆転でリーグ制覇を譲る形となった。

■ 奮闘した守備陣

ACLの決勝のセパハン戦を見れば分かるように、シーズンを通して対戦相手に主導権を握られる試合が多く、プランの戦いが出来たというわけではなかった。だが、DF闘莉王を中心とした3バックと長谷部・鈴木の両ボランチが体を張ったプレーでしのぎきって、したたかに勝利を重ねていった。

一見すると、浦和が押し込まれているように見えても、最後のエリアはしっかりと封鎖していたので、簡単に失点を喫するようなことはなかった。彼らは、いくつものタイトルを獲得していく中で、王者のメンタリティを備えていった。その精神力は、アジアチャンピオンにふさわしいかった。

■ 原点回帰で立て直したオジェック監督

監督就任後、オジェック監督はブッフバルト体制からのバージョンアップを図り、開幕から4バックを採用したり、前線からのプレスを強要したりと、モデルチェンジに取り組んだ。しかしながら、なかなか思うような結果が出ず、勝ちきれない試合が増えていった。

すると、オジェック監督は、後半戦に入ると、ひとまず理想を捨てて現実主義にシフトチェンジ。右ウイングバックの山田と左ウイングバックの平川も引き気味で、5バックに近い陣形となった。結果的に、リーグ戦では最小失点。発展性は見せなかったが、チームをうまくマネージメントとした。

■ オジェック氏の限界

しかしながら、リーグ戦は、最後の最後で大失速。ほぼ手中におさめていたリーグ2連覇を目前で失うことになった。選手たちは連戦になってもタフに戦ったが、疲労の色は隠せなかった。

リーグ制覇の可能性の薄くなった川崎FがACLの準々決勝のセパハン戦に向けて、ターンオーバーを行ってJリーグからクレームを受けたが、対照的に浦和は一貫して、ベストメンバーで試合に臨んだ。しかし、これが果たして正解だったかというと、やはり疑問が残るだろう。残り5試合で2敗3分けという結果では、追撃する鹿島に逆転優勝をさらわれても仕方がなかった。

オジェック監督は、いっかんして、「48時間経てば大丈夫。」と発言し、疲労の影響は否定し続けていたが、もっと柔軟な選手起用を行うべきであったし、選手起用に対して、否定的な見方をされても仕方なかった。

■ アジアチャンピオンの称号

リーグ制覇は逃したが、ACLを制覇したことは、高く評価できる。現行の制度になってから、日本勢では初めてのタイトルであり、他のどのチームも成し遂げられなかった快挙である。

タイトル獲得と同時に、ACLをメジャーなタイトルに押し上げた功績も評価できる。これは、浦和の選手だけでなく、サポーター、フロントが一丸となった末の功績である。来シーズンは、浦和、G大阪、鹿島の3チームがACLに参戦するが、G大阪も鹿島も、以前の挑戦のときとは比べ物にならないくらいのモチベーションで大会に臨むだろう。当然、グループリーグ突破は最低限のノルマとなる。

■ ポンテの活躍

苦しいチームを支えたのはMFポンテだった。ゲームメークだけではなく、アシスト役とゴールゲッターの役割もこなし、単調になりがちな攻撃に彩りを加えた。高い技術を持つにもかかわらずセルフィッシュな部分は見られず、その技術をうまくチームに還元した。

リーグ戦では、5ゴール12アシスト。ハードワークもこなせる点が魅力で、派手さはないが確実なプレーでチームを助けた。攻撃陣では、ただ1人、代えの利かない選手だった。チームのために必要なプレーを必要なときにこなすことの出来る選手であった。

■ リーダーとして鈴木啓太

チームを支えたMF鈴木啓太は、リーグ戦、ACL、日本代表と、ほとんどフルに働いた。そのタフネスぶりは賞賛に値する。類稀な危機察知能力でピンチを未然に防ぎ、押され気味の試合になればその能力が発揮された。

ACLやアジアカップ等で、海外の選手たちと戦う中で、攻撃面でもレベルアップし、中盤の底でしっかりとボールを受けて、確実に味方につなぐことが出来るようになった。ミドルパスの精度はまだまだではあるが、国際試合をこなすごとに、ボランチとして成長を見せていった。

華麗さはないが泥臭いスタイルは、確かに今のレッズの象徴である。

■ ハイパフォーマンスを見せたGK都築

06年の後半は山岸にポジションを奪われていた都築だったが、07年はシーズンを通してポジションを獲得。抜群の反射神経を生かしたファインセーブを連発し、最後の砦となった。

凡ミスがほとんどないのも特徴で、素晴らしいシーズンを送った。身体的な能力にも恵まれていて、ムラもなかった。日本代表に招集されても、全くおかしくない。

■ 懸念の左サイドに定着した平川

三都主の抜けた左ウイングバックのポジションは、シーズン序盤は、日本代表候補にも選ばれたMF相馬やMF小野、阿部らが試された。しかしながら、いまひとつフィットせず、悩みの種となった。

後半戦になると、相馬や小野の怪我もあって、平川が起用されるようになると、相馬と比べると突破力はなかったが、抜群のスピードを生かしたサイドアタックと安定した守備で完全にレギュラーポジションを獲得し、日本代表のオシム監督にも注目される存在となった。

右サイドの山田が怪我でチームを離れたときは、右サイドでもプレーし、遜色のないプレーを見せた。チームへの貢献度は、非常に高かった。

■ ポリバレントを体現した阿部勇樹

リーグ戦とACLの2冠を達成するためには、阿部勇樹の活躍は不可欠だった。移籍金は4億円と高額だったが、その価値に見合うだけのプレーを続けた。

阿部の加入は、1人の選手の加入の効果にとどまらなかった。故障者続出のチームにあって、センターバック、リベロ、右ウイングバック、左ウイングバック、ボランチ、左サイドバックと6つのポジションをこなした。

真骨頂を発揮したのは、ACLの準決勝の城南一和戦と決勝のセパハン戦。押され気味の試合の中で、獅子奮迅の活躍で、PK戦でも勝利に大貢献。痛みに耐えながら戦う姿は、感動的だった。

■ 造反組に対する扱い

シーズン序盤から、なかなか思うような試合が出来なかったこともあって、選手たちからはオジェック監督に対する不満が続出した。シーズン序盤には、MF小野が起用方法に不満を表明したが、中でも、FWワシントンとオジェック監督の関係は、もはや修復は不可能だった。

昨シーズンのリーグ得点王のワシントンだが、今シーズンは12ゴールのみ。独善的なプレーも多く、絶対の存在ではなくなった。途中交代させられるたびにベンチにオジェック監督とワシントンは険悪な雰囲気になった。

このようなワシントンの態度は非常にプロらしくはなかったが、オジェック監督は大人に対応し、出場停止等のペナルティーも考えられたが、ACL決勝も含めて、FWワシントンを先発で起用し続けた。賛否両論はあるが、うまく操縦したともいえる。

■ アジア№1クラブへ・・・

ACLを制覇したことは高く評価できる偉業である。ただ、残念ながら、その試合内容は、豪華なタレントが並ぶチームにしては、それほど褒められたものではなかった。どの試合でも、リードを奪うとDFラインが下がりすぎて、相手の猛攻を食らうシーンがあって、GK都築やDF闘莉王の最後のがんばりもあって乗り切ったが楽な戦いは1つもなかった。

確かに、「過密日程」による疲労が、その要因の1つであったことは間違いない。だが、やはり、オジェック監督の能力的な要因も大きく、後ろ向きのチームであったことは否めない。これだけの選手が揃っているのだから、確率高く、他チームを圧倒するくらいの試合を見せてもよかった。

例えば、ACLの決勝戦を見た日本以外のアジアの国の人々は、浦和レッズとセパハンの試合をどのように感じただろうか?きっと、浦和のサポーター集団やさいたまスタジアムの魅惑的な雰囲気に魅了されることはあっても、レッズのサッカー自体に魅了されることは無かっただろう。

浦和レッズが、日本を飛び出して、アジアの中でも人気のあるメジャークラブとなるためのライバルは、マンチェスターUやアーセナルやバルセロナである。同じアジアのチームとして、少しばかりの親近感は感じてもらえるだろうが、結局は、これらの欧州のトップクラブと同じくらい魅力的なチームを作って、エンターテイメント性溢れる試合を見せ続けなければ、見向きもされないだろう。

幸いにも、方向性を変えるだけで、今のタレントを見れば、リーグ戦でもACLでも、毎試合のように相手を圧倒するだけの魅力的なサッカーが出来るだけの土壌は備わっている。例えば、アウェーの磐田戦やホームのFC東京戦のサッカーは、ファンタスティックで素晴らしかった。

レッズには、こういう試合をずっと続けてほしい。そのためには、レッズのサポーターも、より厳しい目でレッズを見守る必要があるだろう。味方であっても安易なミスには苦言を呈するべきだし、明らかに格下のチームを相手に苦戦するようであれば、チームに叱咤激励をしなければならない。彼らは、アジアチャンピオンだから・・・。

レッズ戦





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コメント

来季もレッズは有力選手を集め層を厚くするようですが
それはいいんですが
選手を固定化しがちなオジェックが監督というのが何とも…
2007/12/30(日) 11:57:08 | URL |    [編集]

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