Jリーグ クラブ別大総括(21) 名古屋グランパス編
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名古屋グランパスの2007年シーズンを振り返る。
■ 見事な開幕ダッシュ
フェルフォーセン監督の2シーズン目は、開幕から4連勝と最高のスタートを切った。4試合で8得点1失点で対戦相手にも恵まれたとはいえ、申し分のない内容だった。
シーズン序盤は、<3−5−2>が機能。MF藤田を1ボランチに置き、MF金正友やMF山口を攻撃的な位置に並べて、相手ボランチに激しいプレッシャーをかけて組織的に守備を行う戦術がはまった。現役の韓国代表でもあるMF金正友は、攻撃でも威力を発揮し、開幕から3試合連続ゴール。来日2年目にして、ようやく進化を発揮しつつあった。
しかしながら、その後、急ブレーキ。中断前までは、3勝9敗2分と低迷し、順位も10位にまで後退した。その要因の1つは、怪我人の続出。特にセンターバックは開幕戦でDFスピラールを失い、川崎Fから獲得した米山らで急場をしのいだ。
結局、リーグ戦は11位。思うような結果を残せず、フェルファーセン監督は退任した。
■ フェルフォーセン監督の采配
成績は出なかったが、フェルフォーセン監督のチーム作りは、さすがだった。PSVアイントフォーヘンからのオファーが舞い込んだように、その手腕は、オランダでも評価されているようで、高い評価は頷ける。
MF藤田を1ボランチに置くアイディアは、斬新だったが、チームの軸として機能し、山口と金の攻撃的MFも序盤は、素晴らしいパフォーマンスを見せた。ポジションを固定しがちだった06年シーズンから一歩進んだ流動的なサッカーを見せる試合も少なくなかった。
だが、FWヨンセンら主力が欠けると、一気に戦力はダウンし、層の薄さは深刻だった。いかにフェルフォーセン監督といっても、戦力不足では低迷も致し方なかった。
■ DF阿部翔平の左足
しかしながら、苦しい状況の中で、若手選手に出場機会を与えられたことは、来シーズン以降を考えると大きかった。
飛び出したのは、左利きの阿部で、171cmの身長ながら不慣れなストッパーで起用されると、精度の高いパスでビルドアップの中心となった。4バックのときは、左サイドバックでもプレーし、左サイドハーフの本田とのコンビが機能した。
正確な左足のキックは、Jリーグでもトップクラスであり、DFとして新境地を開いた。
■ チャンスをつかんだ若手選手たち
同じく、後半戦から積極的に起用されるようになった新人のMF小川は、サイドからの積極的な仕掛けと思い切りのいいシュートで、チームに新しい風を巻き起こした。やや判断力に難があるが、今後、面白い存在になるかもしれない。
CBでは、24歳の竹内と19歳の吉田もフェルフォーセン監督に抜擢された。186cmの吉田は下部組織出身の期待の若手であり、スピードタイプのフォワードに翻弄されることもあったが、大きな可能性を秘める。FW津田やMF渡邊も頻繁に出場機会をつかみ、飛躍のきっかけをつかんだ。
DF古賀が移籍し、中堅のMF中村やFW玉田が精彩を欠く中、将来に希望の持てる選手が続々と現れたことは大きい。
■ 本田の左足を生かしたい。
期待される五輪代表のMF本田は、五輪予選ではレギュラーとして突破に貢献したが、チームでは昨シーズンほどの貢献は出来なかった。
本田の左足は名古屋の大きな武器であるが、今シーズンは、本田が孤立するケースも多く、味方は十分なサポートが出来ず、本田自身もなかなか思うようなプレーが出来ずに苦しんだ。どうしても本田に注目が集まるチーム構成になっているが、日本人選手の中から、本田と並び立つような選手が出現して欲しい。
■ ストイコビッチ監督への期待と不安
シーズン終了をもって、フェルフォーセン監督は退任し、来シーズンは、ストイコビッチ新監督の就任が内定している。タイトルから見放された流れを変えるためにも、カリスマの力を借りることになった。
監督経験が無いことは、大きな不安材料である。ものすごい名将かも知れないし、ものすごい駄目監督かもしれない。それは、現段階では誰にも分からないし、大きな賭けであることは間違いない。
したがって、過大な期待は禁物であり、現実的に考えて、いきなり優勝争いに食い込むのは難しいだろう。ただ、ピクシーがもつ華やかなムードが低迷するチームには刺激になるだろうし、飽くなき勝利への執着心が活力になるかもしれない。
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