サッカーコラム J3 Plus+ 
J1、J2、日本代表を幅広くカバーします。
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モンテディオ山形の2007年シーズンを振り返る。


■ 突っ走った序盤戦

樋口監督の2年目。開幕5試合は、1勝2敗2分けという可もなく不可もなくのスタートだったが、その後は破竹の勢いで突っ走った。10試合負けなしの好成績で、15試合を終えて8勝2敗5分け。堂々の2位につけた。

その間の試合内容は申し分なかった。鋭い攻守の切り替えからシンプルに両サイドを使って攻め込むサッカーが浸透し、新加入のFW豊田、FW横山、FW北村、DF石川もチームにフィット、神戸に移籍したFWレアンドロの抜けた穴を感じさせなかった。

■ 「2得点の壁」を破れず

しかしながら、18節の仙台戦で10試合ぶりの黒星を喫すると、19節の草津戦の引き分けを挟んで5連敗を喫する。順位も2位から9位に急落した。

低迷の要因となったのは、やはり得点力不足。大黒柱となっていたFW豊田の長期離脱の影響もあって、14節の愛媛FC戦から39節の水戸戦まで、実に24試合連続で2得点以上のゴールを奪うことは出来なかった。先制点を奪っても追加点が取れず、勝ち点を取りこぼす試合も目立った。

結局、全日程を終えて、15勝20敗13分の成績でリーグ9位に終わった。

■ FW豊田のポテンシャル

怪我や出場停止もあって28試合の出場にとどまったが、名古屋からレンタルで加入したFW豊田陽平の活躍は、鮮烈な印象を残した。『トヨグバ』の愛称で親しまれた豊田は、ゴールこそ6点に終わったが、数字以上のインパクトを残した。

185cmの長身で圧倒的な身体能力を備える豊田は、空中戦ではほとんど無敵で、独力でもシュートにまで持っていけるだけの力強さを備えていた。天皇杯のG大阪戦でもヘディングでゴールをマークしており、その高さと強さはJ1でもトップクラスであると思われる。

名古屋には絶対的な存在であるFWヨンセンがいるため、今シーズンも、豊田に出番が回ってくる可能性は低かった。したがって、このレンタル移籍は大成功であり、貴重な経験を積むことになった。

注目されるのは、オフの去就。山形としては、何とかもう1年残って欲しいと考えているだろうが、名古屋としても期待の選手であり、チームに戻ってきて名古屋で活躍して欲しい気持ちもあるだろう。難しい決断となる。

■ 成功したチーム作りだったが・・・

樋口監督は2シーズン目となったが、今シーズンも、夏場に昇格レースから取り残されて、最大の目標であるJ1昇格を果たすことは出来なかった。樋口監督との契約は更新されないことがすでにチームから発表されており、08年シーズンは新しい体制で臨むことになる。

シーズンを振り返ってみると、持続力はなかったが、チーム作り自体は間違いはなかったし、樋口監督の手腕は一定の評価は出来る。ただ、他チームと比べると攻守ともにタレント力ではどうしても見劣りするチームなので、J1昇格を果たすには、監督に対して、僅差の試合を采配によってものにする力量が求められるが、この点では樋口監督は見劣りした。

ベースが出来つつあったので、もったいないという感じもするが、2年間の結果を見ると、致し方ない決断であった。

■ 佐々木と臼井の併用

タレントの絶対数に限りがある山形のようなチームにあっては、今いるタレントの力を最大限に生かさなければならないが、この観点から見ると、MF佐々木とMF臼井の起用方法には、やや疑問も残った。

ともに右サイドを主戦場とする選手でJ2でもトップクラスのサイドアタッカーであるが、ポジションや役割が重なりがちで、右サイドハーフに佐々木を起用し、右サイドバックに臼井を起用するケースは少なく、併用は適わなかった。強力な右サイドのコンビになりそうではあるが、完成を見なかった。

■ リーグ有数の左サイドバック

一方、左サイドバックのDF石川の加入は大きかった。東京Vから移籍してきた石川は、リーグ戦は、48試合中46試合に先発出場し、精度の高いキックをベースに攻守ともに安定したプレーを見せた。セットプレーのキッカーとしても優秀で、左足のキックから何度もゴールが生まれた。

レンタル元の鹿島アントラーズではDF新井場の存在もあってレギュラーポジションがつかめていないが、その総合力はJリーグの中でも有数であり、左サイドバックに人材を欠くJ1のチームから相当数のオファーが舞い込んでもおかしくない。

■ 難しい未来図

資金力の乏しいチームなので、オフに主力の流出は避けられそうも無い。今オフもDFレオナルドに対するオファーが舞い込んできそうな状況であるし、DF石川とFW豊田はレンタル移籍の身なので、元クラブの意向次第で、チームを離れることになる。

冷静に考えると、現状のクラブ規模では、J1昇格を狙うのは難しいが、やり方次第では、全く不可能な目標というわけでもない。J2でのシーズンも9年経ち、そろそろJ1に昇格して欲しいと考える古参サポーターも少なくないだろう。クラブも安定期を迎え、安定したままでいいのか、リスクをかけてでもさらに上を目指すのか、難しい判断を迫られている。




□ Division2 クラブ別大総括

07年 クラブ別大総括(1) 徳島ヴォルティス編
07年 クラブ別大総括(2) 水戸ホーリーホック編
07年 クラブ別大総括(3) ザスパ草津編
07年 クラブ別大総括(4) 愛媛FC編
07年 クラブ別大総括(5) モンテディオ山形編
07年 クラブ別大総括(6) サガン鳥栖編
07年 クラブ別大総括(7) アビスパ福岡編
07年 クラブ別大総括(8) 湘南ベルマーレ編
07年 クラブ別大総括(9) セレッソ大阪編
07年 クラブ別大総括(10) ベガルタ仙台編
07年 クラブ別大総括(11) 京都サンガ編
07年 クラブ別大総括(12) 東京ヴェルディ1969編
07年 クラブ別大総括(13) コンサドーレ札幌編


□ Division1 クラブ別大総括

07年 クラブ別大総括(14) 横浜FC編
07年 クラブ別大総括(15) ヴァンフォーレ甲府編
07年 クラブ別大総括(16) サンフレッチェ広島編
07年 クラブ別大総括(17) 大宮アルディージャ編
07年 クラブ別大総括(18) 大分トリニータ編
07年 クラブ別大総括(19) ジェフ千葉編
07年 クラブ別大総括(20) FC東京編
07年 クラブ別大総括(21) 名古屋グランパス編
07年 クラブ別大総括(22) ヴィッセル神戸編
07年 クラブ別大総括(23) ジュビロ磐田編
07年 クラブ別大総括(24) 柏レイソル編
07年 クラブ別大総括(25) 横浜Fマリノス編
07年 クラブ別大総括(26) アルビレックス新潟編
07年 クラブ別大総括(27) 川崎フロンターレ編
07年 クラブ別大総括(28) 清水エスパルス編
07年 クラブ別大総括(29) ガンバ大阪編
07年 クラブ別大総括(30) 浦和レッズ編
07年 クラブ別大総括(31) 鹿島アントラーズ編


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