【G大阪×千葉】 バレーの威力
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■ 負けられない戦い
この試合に負けると、明日にも浦和レッズの優勝が決まってしまうため、絶対に負けられないガンバ大阪が、ジェフ千葉と対戦。G大阪は、先週の土曜日にナビスコカップ決勝を戦って、さらには水曜日にも天皇杯の山形戦を戦っている。いずれの試合も勝利を勝ち取ったとはいえ、非常に厳しい試合となったため、疲労の影響が心配される。
対する千葉は、6連勝後、天皇杯も含めると1分2敗そやや失速気味。しかしながら、この試合からMF水野が復帰。
G大阪は、ナビスコカップ決勝と同じで、DF加地を右のストッパーに置く、変則の<3−5−2>。GK藤ヶ谷。DF加地・シジクレイ・山口。MF橋本・明神・遠藤・二川・安田。FWバレーとマグノ・アウベス。
アウェーの千葉は、<3−5−2>。五輪代表のDF水本が怪我のためベンチスタート。GK岡本。DFジョルジェビッチ・中島・斉藤。MF伊藤・工藤・水野・山岸・羽生。新居と巻の2トップ。
■ スロースタートの展開から・・・
試合は、前半は千葉が優勢。G大阪は、ここ最近の悪い癖であるスロースタートの影響でいい形を作れない。千葉は、左ウイングバックの山岸を中心にサイド攻撃を仕掛けるなど、サイドで優位に立った。しかしながら、決定機までは作れず、静かな展開で前半を終えた。
後半に入ると、G大阪の2トップが本来の力を発揮し始める。しかしながら、バレーとマグノ・アウベスが決定機にミスを連発し、先制ゴールを奪えない。
千葉は、後半11分にDF水本とFWレイナウドを投入し勝負に出るが、その直後の攻撃でG大阪ヶ先制ゴールを奪う。右サイドをえぐったMF二川からのクロスを中央の遠藤がトラップ。遠藤はシュートフェイントからゴールに向かって突進し、ゴール前にグラウンダーの決定的なパスを送ると、中央のバレーがダイレクトで合わせて先制する。
さらに、後半16分にも、フィールド中央でボールを受けたMF遠藤から前線のFWバレーにロビングのパスが渡ると、FWバレーがDFと競り合いながらもシュート体勢を作り右足でシュート。遠藤とバレーのホットラインでG大阪が2ゴールを奪った。
その後は、千葉もMF楽山を投入し反撃を開始するが、ゴールまでは至らずに終了。結局、G大阪が2対0で勝利し、優勝の可能性を残すとともに、2位の座を守った。
■ バレーの威力
この試合では、バレーのいい面と悪い面がはっきりとあらわれた。
いい面は、もちろん得点能力の高さであり、特に2点目のシーンは、バレーの強さが十分に発揮されたファインゴールだった。このゴールは、遠藤からの一本のパスから導かれたゴールであり、手数をかけて崩すというG大阪にしては、らしく無いゴールの形だったが、アバウトなボールでも、とりあえず前線まで運ぶことが出来れば何とかしてくれるというバレーの存在価値を証明するものだった。
バレーという選手は、サッカーを始めたのが17歳からとかなり遅く、まだまだ発展途上のところが多く、シーズン前に不安視されていた「G大阪の高度なサッカーについていけるのか?」という疑問は、まだ解消されたわけではないが、ごり押しの形でもゴールに結び付けられるバレーの存在は、チームに無用なリスクを背負わさせるという危険性を減らさせたという意味でも大きい。
この試合でも、フィニッシュも含めて雑な部分も多くポストプレーも不正確だったが、完全にチームにフィットするようになれば、恐ろしいことになると想像できる。
■ チームを掌握する遠藤
バレーの2ゴールは、ともに遠藤のパスから生まれたものであった。<3−5−2>で、ダブルボランチの一角でプレーするようになって、遠藤のミドルパスが効果を発揮している。
今シーズンのG大阪は、昨シーズンと比べると、DFラインの宮本のミドルパスがなくなったためか、ダイナミックさという意味では劣っている印象もあり、悪いときは、細かいパスが多くなって、相手にカウンターを食らうことが多かった。
攻撃的MFでプレーするときの遠藤は、それほどミドルパスを多用しないが、一列下がったボランチでプレーする時は、非常に効果的にミドルパスを操ってプレーする。
■ 加地のストッパー
完全なサイドプレーヤーである加地を右のストッパーで起用するというアイディアは、非常に西野監督らしいし、面白いアイディアだと思われる。加地は、ボール扱いも安定しており、高さは無いが守備も粘り強く、並のDFよりもストッパーとしての適正を持っているかも知れない。加地のストッパー起用は、悪くない。
ただ、やはり、加地の右からの攻撃参加が無くなることで、ずいぶんと、攻撃の幅が狭まっていて、左ウイングバックの安田に大きな負担がかかってしまう。右ウイングバックには橋本が入っているが、橋本は突破力のある選手ではなく、バランスを考えた控えめなプレーに終始して、どうしても、左サイドに攻撃が偏ってしまう。
ストッパーとサイドアタッカーの両方をこなす加地の存在が、試合中に3バックと4バックの使い分けが出来る要因になってはいるが、加地をストッパーで起用することで、加地の持つ攻撃力が発揮できていない状況は、ややもったいない感じも受ける。
■ 本調子ではなかった水野
千葉は、五輪予選で怪我をして欠場していた右ウイングバックの水野が約1ヶ月ぶりに復帰。五輪代表チームにとってはいいニュースではあるが、プレー自体は本調子とは言えず、物足りない内容だった。
同じ<3−5−2>で、G大阪の安田とマッチアップする形となったが、その安田との攻防もやや劣勢で、サイドをえぐってクロスという得意の形は見られなかった。中盤で、佐藤勇人と下村を欠いていたことも影響したのか、水野を生かそうとするプレーもなかなか見られなかった。
■ 怪我上がりの水本
同じく五輪代表のDF水本は、怪我の影響もあってベンチスタート。後半11分から出場したが、その直後に2失点と、期待にはこたえられなかった。
前半は、11試合ぶりに先発出場を果たしたDFジョルジェビッチの出来も悪くは無かったが、後半になって、バレーとマグノ・アウベスのスピードについていけなくなっており、出来れば使いたくなかった水本を投入することになったが、計算外の2失点となった。ただ、水本のプレー内容は、特別に悪かったわけというわけではない。
水野と水本は、千葉だけではなく五輪代表にとっても重要な選手であり、そのコンディションが注目されるが、とにかく、試合に出場できたということは大きい。
■ リスクとバランス
千葉は、0対0の状況で2選手を交代させたため、FWには、スーパーサブの青木が残っていたにもかかわらず、投入することは出来ず、結局、水野に代えて楽山を投入しただけで、かさにかかって攻めることは出来なかった。
攻守のバランスは悪くなかったが、リードされている状況であったので、<3−5−2>にこだわらず、3トップのような形にしても面白かったのではないだろうか。
アマル・オシム監督は、「組織」に「個の力」がうまくミックスされた好チームを作ったが、臨機応変さには欠ける印象もある。イビチャ・オシム監督と比べると、経験不足は否めない。フロントが、アマル・オシム監督をどう評価しているのだろうか?
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