【川崎F×新潟】 圧倒的な中村憲剛とマルシオ・リシャルデスについて
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■ J1第29節
6位のアルビレックス新潟と8位の川崎フロンターレの対戦。
ホームの川崎Fは、先週のナビスコカップ準々決勝で横浜FMを下して、ナビスコカップ決勝進出を決めている。リーグ優勝の可能性はないが、初タイトルに向けていい状態を保っていきたい。
GK川島。DF森・箕輪・佐原・伊藤。MF中村・谷口・久木野・マギヌン。ジュニーニョとチョン・テセの2トップ。右サイドバックの森がやや高めのポジションを取る変則の4バックである。
対する新潟は、<4−4−2>。GK北野。DF内田・千代反田・千葉・中野。MFシルビーニョ・本間・リシャルデス・坂本。エジミウソンと矢野の2トップ。右サイドバックにはDF内田が怪我から復帰。左サイドバックには、松尾ではなく中野が入った。
■ 合計7ゴールの攻防
試合は、両チームともに攻撃面での良さが押し出される面白い試合となった。
前半に、見事な守から攻への切り替えの早さを見せた川崎Fが、速攻から3ゴールをマークしたが、新潟も後半にDF千代反田のダイビングヘッドとMFマルシオ・リシャルデスの直接FKで3対3の同点に追いつく。
このまま終了かと思われた試合は、後半のロスタイムにMF中村憲剛が右足で強烈なミドルを突き刺して勝ち越す。川崎Fは、4対3で激戦を制した。
■ 見ごたえ十分の攻防
両チーム合わせて7つのゴールが生まれたが、決して両チームのディフェンスが悪かったというわけではない。どちらかというと、双方ともに、攻撃力が相手の守備力を上回っていたという印象で、見ごたえ十分だった。
前半の終了時点で、2点のビハインドを負った新潟だったが、後半に2点を返して、いったんは同点に追いついた。
J1リーグの場合、終盤戦を迎えると、優勝争いにも降格争いにも加わらない中位チーム同士の対戦では、モチベーションが上がらずにノーテンションな試合を見せるときもあるが、この試合は、そんな気配は感じさせなかった。
■ 圧倒的な憲剛
この試合で、2ゴール1アシストをマークしたMF中村憲剛のパフォーマンスは圧倒的だった。
先制点となった切り替えの早さとランニングの質は特出すべきものがあり、ジュニーニョのゴールにつながったラストパスは、コースもスピードもタイミングもパーフェクトだった。さらには、ロスタイムに、最高のシチュエーションでチームを勝利に導くミドルシュートを決めた。
ACLとアジアカップを戦った憲剛は、一時期は疲労の色が濃く、低パフォーマンスの試合も多かったが、ACLの敗退で吹っ切れたのか、ここ数試合のパフォーマンスは、スーパーである。
相手DFの穴を探すことに優れており、ボールを持ったときは、常にきわどくて鋭いパスを出せるかのようなボールの持ち方をしている。だから、相手DFは憲剛の「一発」を警戒せざる得ない。もちろん、難しいパスを狙いすぎることは無く、シンプルなパスで味方を生かすプレーも多く、チームのリズムを形成する。運動量や守備面での貢献も申し分なく、文句のつけようは無い。
昨シーズンまでの川崎Fは、「ジュニーニョのチーム」であったが、今シーズンは、「中村憲剛のチーム」である。1人の選手に頼ることはチームを作る上ではあまり良くない事だが、それも仕方ない。
■ 多彩な新潟
新潟は、MFマルシオ・リシャルデスが出場停止から復帰。さらには、右サイドバックの内田潤も怪我から復帰。DF永田を除くと、ほぼベストのメンバーがそろった新潟は、昨シーズン2位の川崎Fを相手に勇敢に戦った。
新潟は、ここまで6位と大躍進を果たしているが、昨シーズンまでと比べると、明らかに攻撃陣のバランスが良くなって、多彩になった。これは、MFマルシオ・リシャルデスとMF坂本の加入と、DF内田とFW矢野の成長が大きい。
中心選手だったMFファビーニョとMF鈴木慎吾を失ったことで、ドリブラーと呼べる選手がFWエジミウソンのみになった。しかし、その代わりに運動量豊富なMF坂本と超絶テクニシャンのMFマルシオ・リシャルデスが入って、個人の突破力に頼りがちだった攻撃は、バリエーションが豊かになった。
坂本もマルシオ・リシャルデスも、ともに味方をうまく生かすことの出来る選手である。エジミウソンや矢野の強引さと彼らのクレバーさが、うまく相乗効果となって結果に表れている。
■ マルシオ・リシャルデスについて
その中でも、やはり、MFマルシオ・リシャルデスである。
この選手は、リズムが独特であり、相手チームとしては非常に捕まえにくい存在である。川崎Fは、マルシオ・リシャルデスを相当に警戒していたようだが、そのマークをかいくぐって、決定的な仕事をした。
特に、キックのバリエーションの豊富さには驚かされる。難しいプレーを難なくこなすことの出来る技術と判断の正確さは、新潟の攻撃に必要不可欠な要素になっている。
昨シーズンまでの新潟は、すべての選手がフィールド上でハードワークをして、全力で勝利を目指す熱いサッカーを見せていた。そのことを考えると、クールに見えるMFリシャルデスは新潟のサッカーには合わないのではないかと思われたが、マルシオ・リシャルデスという異分子の存在が、結果的に、新潟をワンランク上のチームに引き上げた。
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