■ MIP賞にふさわしい選手とは?今度はJ2の2016年シーズンのMost Improved Player賞(=もっとも成長した選手に贈られる賞)を考えてみたいと思う。MIP賞に関して簡単に補足すると「昨シーズンあるいは今シーズンの開幕当初と比べて成長度が最も大きかった選手」に与えられる賞である。賞の性質上、今シーズンがプロ1年目となるルーキーは対象外で、MF福満(山口)やDF小池龍(山口)のような「(J3上がりの)J2初挑戦の選手」は対象外となる。
その反対でカテゴリーを落としてJ1のクラブから移籍してきた選手は対象者とみなす。繰り返しになるがあくまでも「成長度が最も大きかった選手」を選出する賞なので例えば
(1) もともとの能力や評価が「6」だった選手が「9」に成長したケース
(2) もともとの能力や評価が「2」だった選手が「7」に成長したケース
の場合、MIP賞にふさわしいのは(2)の選手である。当然、今シーズンの活躍度や現段階での評価で考えると(1)の選手の方がかなり上となるが、「6」→「9」よりも「2」→「7」の方が成長度は大きい。結局、基準値(能力や評価)が低い選手の方がかなり有利で、「もっとも誰が活躍したのか?」の視点で語られる賞とは異なる。MIP賞の候補を厳選したところ、まずは以下の38名の名前を挙げることができる。
DF 進藤亮佑 (コンサドーレ札幌)
MF 前寛之 (コンサドーレ札幌)
MF 飯尾竜太朗 (松本山雅)
DF 松原后 (清水エスパルス)
DF 三浦弦太 (清水エスパルス)
FW 北川航也 (清水エスパルス)
FW 金子翔太 (清水エスパルス)
MF 杉本健勇 (セレッソ大阪)
DF 松田陸 (セレッソ大阪)
DF 下畠翔吾 (京都サンガ)
MF 豊川雄太 (ファジアーノ岡山)
DF 畠中槙之輔 (町田ゼルビア)
FW 仲川輝人 (町田ゼルビア)
MF 野村直輝 (横浜FC)
GK 渋谷飛翔 (横浜FC)
MF 広瀬陸斗 (徳島ヴォルティス)
MF 内田裕斗 (徳島ヴォルティス)
MF 山崎凌吾 (徳島ヴォルティス)
MF 小島秀仁 (愛媛FC)
DF 茂木力也 (愛媛FC)
MF 表原玄太 (愛媛FC)
MF 町田也真人 (ジェフ千葉)
FW オナイウ阿道 (ジェフ千葉)
DF 北谷史孝 (レノファ山口)
MF 三幸秀稔 (レノファ山口)
DF 佐藤祥 (水戸ホーリーホック)
MF 白井永地 (水戸ホーリーホック)
MF 汰木康也 (モンテディオ山形)
FW 永井龍 (V・ファーレン長崎)
MF 宮本航汰 (V・ファーレン長崎)
FW 清武功暉 (ロアッソ熊本)
DF 高瀬優孝 (ザスパクサツ群馬)
MF 澤井直人 (東京ヴェルディ)
GK 鈴木椋大 (東京ヴェルディ)
FW 木島徹也 (カマタマーレ讃岐)
MF 熊谷アンドリュー (ツエーゲン金沢)
MF 安東輝 (ツエーゲン金沢)
MF 新井純平 (ギラヴァンツ北九州)
■ 移籍によって才能が開花するケースは多い。大半は若手から中堅世代の選手になるが経験のある選手も数名含まれる。より候補を絞ったところ次の22名が残った。いずれの選手も、今シーズン、出場機会を増やしてチームに貢献することができた。クラブの内訳を見ると上位チームも中位チームも下位チームも満遍なく残っている。DF松田陸(C大阪)やDF畠中(町田)やMF山崎凌(徳島)やDF北谷(山口)などは移籍によってチャンスを得ることが出来た選手である。
DF 進藤亮佑 (コンサドーレ札幌)
DF 松原后 (清水エスパルス)
FW 北川航也 (清水エスパルス)
MF 杉本健勇 (セレッソ大阪)
DF 松田陸 (セレッソ大阪)
MF 豊川雄太 (ファジアーノ岡山)
DF 畠中槙之輔 (町田ゼルビア)
GK 渋谷飛翔 (横浜FC)
MF 広瀬陸斗 (徳島ヴォルティス)
MF 山崎凌吾 (徳島ヴォルティス)
DF 茂木力也 (愛媛FC)
MF 表原玄太 (愛媛FC)
MF 町田也真人 (ジェフ千葉)
DF 北谷史孝 (レノファ山口)
MF 三幸秀稔 (レノファ山口)
DF 佐藤祥 (水戸ホーリーホック)
MF 白井永地 (水戸ホーリーホック)
MF 汰木康也 (モンテディオ山形)
FW 永井龍 (V・ファーレン長崎)
FW 清武功暉 (ロアッソ熊本)
DF 高瀬優孝 (ザスパクサツ群馬)
MF 澤井直人 (東京ヴェルディ)
■ 2016年のJ2のMIPに選んだのは・・・。意外と候補となる選手が多くて選考は難航したが、最終候補に残ったのは以下の8名である。この中ではMF杉本健(C大阪)とMF豊川(岡山)とDF北谷(山口)とFW永井龍(長崎)とDF高瀬(群馬)は移籍組で、DF松原后(清水)とFW北川(清水)とMF町田(千葉)はクラブ生え抜きの選手となる。様々なことが飛躍のきっかけになり得るが、自身の移籍・J2やJ3降格・主力の流出の3つのいずれかに当てはまることが多い。
DF 松原后 (清水エスパルス)
FW 北川航也 (清水エスパルス)
MF 杉本健勇 (セレッソ大阪)
MF 豊川雄太 (ファジアーノ岡山)
MF 町田也真人 (ジェフ千葉)
DF 北谷史孝 (レノファ山口)
FW 永井龍 (V・ファーレン長崎)
DF 高瀬優孝 (ザスパクサツ群馬)
そんな中で1位に選んだのはFW永井龍(長崎)。41試合で17ゴールを挙げてJ2の得点ランキングで単独5位と文句なしの活躍を見せた。2014年にC大阪(当時はJ1)で記録した21試合で3ゴールという成績がキャリア最高だった。ユース時代から期待の高かったストライカーがプロの世界では伸び悩んでいたが長崎への移籍によって一気に才能が開花した。チームの総得点の43.6%をFW永井龍が記録したことになる。
2位に選んだのはMF町田(千葉)。昨シーズンまでの4年間はJ2で通算60試合で1ゴールのみ。得点力の低さが最大の課題だったが今シーズンは32試合で11ゴールと一気にブレイクした。びっくり度という点ではFW永井龍(長崎)以上と言える。3位に選んだのは高卒2年目のFW北川(清水)。大半が途中出場であるにもかかわらず30試合で9ゴール4アシスト。切り札的な存在の1人になって自動昇格に大きく貢献した。
4位はMF豊川(岡山)。こちらも途中出場が多かったが38試合で10ゴール3アシスト。後半に投入されてゴールに絡む活躍を見せた。1月のU-23アジア選手権で活躍した選手なので期待度はかなり高かったがJ1通算で23試合で2ゴールだった選手がここまでの活躍を見せるとは予想できなかった。5位はDF高瀬(群馬)。終盤に怪我をして欠場が続いたのは残念だったが豊富な運動量を生かした攻撃参加が目立ちに目立った。
漏れた選手について簡単に触れるとMF杉本健(C大阪)やFW清武功(熊本)やMF広瀬陸(徳島)などは、やはり、昨シーズンもそれなり以上の活躍を見せた選手なので一番最初に挙げた例に当てはめると明らかに(1)のケースになる。むしろ、DF松原后(清水)、DF北谷(山口)、DF進藤(札幌)、DF佐藤祥(水戸)、MF三幸(山口)、DF松田陸(C大阪)あたりの方が4位あるいは5位に選出しても違和感が小さいメンバーと言える。
J3+が選ぶ2016年のJ2のMiP (1位から5位まで) 1位 : FW 永井龍 (V・ファーレン長崎)
2位 : MF 町田也真人 (ジェフ千葉)
3位 : FW 北川航也 (清水エスパルス)
4位 : MF 豊川雄太 (ファジアーノ岡山)
5位 : DF 高瀬優孝 (ザスパクサツ群馬)
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