【日本×オーストラリア】 もう一度、代表に夢を見てもいいのだろうか?
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■ オーストラリア撃破
アジアカップ3連覇を狙う日本は、オーストラリアと準々決勝を行った。試合は、1−1で延長戦に入ると120分でも決着がつかず、PK戦に突入。PK戦では、GK川口がオーストラリアの2本のシュートを止める活躍を見せ4−3で勝利し、準決勝に駒を進めた。
序盤から日本がペースをつかんだが、後半24分、セットプレーから先制点を奪われる。たが、その3分後、高原のゴールですぐさま同点に追いついた。その後も1人少ない相手に対して優勢に試合を進めたがゴールを奪えず、試合は延長戦に。日本が終始相手ゴールを攻め立てたが、オーストラリアのディフェンスを崩せずPK戦に突入。GK川口がオーストラリアの2本のPKをストップすると、日本は4人が成功し4−3で勝利を収めた。日本は25日の準決勝で、サウジアラビアとウズベキスタン戦の勝者と戦う。
■ 交代カードとオシムの選択
日本が後半26分に同点に追いついたその直後に、オーストラリアのMFグレッラがレッドカードで退場。その後は、延長戦を含めて、45分間を一人多い状態で戦ったが、勝ち越しゴールは奪えなかった。
オーストラリアの攻撃は、ポストプレーヤータイプのFWアロイージとFWビィドゥカを下げたことで高さがなくなったが、その代わりにFWキューエルとMFケーヒルが途中出場したことで、スピードがアップし、日本としてはカウンター要注意の状態であったが、阿部を中心にしっかり守れていたので、もっと人数をかけて攻め込むことも可能だったが、日本は極力リスクを冒さずに戦った。
結果的には、PKで勝利したため、ことなきをえたが、相手に完全に引かれてスペースのない状況でMF羽生やMF太田らを投入するのは、得策とは言えず、高さのあるFW矢野やゴール前に飛び込むセンスの光るFW佐藤寿人というカードはあるものの、やや、交代カードに弱さがあるのは否めない。これは、今大会以後の課題である。
■ オシムの誤り
PK戦は、多くの場合、試合中に劣勢だったチームが「PK戦まで持ち込めた」というポジティブな心理を働かせることができるので、有利だといわれている。この試合も、延長の30分間、10人で守りきったオーストラリアの方が、心理的には上だとも想像できるので、オシム監督がPK戦の結果を不安視した気持ちも分からないわけではないが、やはり、勝つべきチーム(日本)がPK戦を制して、準決勝に進出を決めたという印象が残る。
オーストラリアと日本を比べたとき、どちらが、アジアカップを欲していたかは明らかで、勝ちたいと願う気持ちの強いチームが勝利したといえるだろう。それに、日本には、川口能活がいる。PKは、ギャンブルではあるが、単純に、勝敗が、ギャンブル要素だけで決まるわけではないだろう。
■ エース高原
先制点を奪われた、いやな展開を救ったのは、FW高原。巻の折り返しのこぼれ球を拾うと、冷静に切り返して相手DFを外してから左足で決めたファインゴールだった。
今大会の高原のゴールは、どれも得点が欲しい時間帯で生まれたものであり、エースストライカーと呼ぶにふさわしい。こうなると、「高原がいないときはどうなる?」という、新しい不安要素も生まれてくるが、絶対的なエースがいなければ、普通のチームになってしまうことは、イングランド代表やポルトガル代表やフランス代表が証明している。どうしようもない問題だといえる。
■ MOM中村憲剛
日本で一番いいプレーをしたのは、MF中村憲剛だろう。グループリーグでのプレーも特に悪いとは思わなかったが、この試合は、より、前に出る積極性が増して、ゴール前で3度ほど、決定的なシュートを放った。
彼のよさは、ファーストコントロールのうまさと、体の使い方のうまさ。だから、中央でボールを受けたときに、一瞬の判断で体の向きをかえるだけで、右方向へも展開できるし、切り替えして、左方向へも展開が出来る。
■ オシム発言
オシム監督は、試合前に、「日本のサポーターが、一年前に受けたショックを、まだ引きずっていることがショックです。」という類の発言をしていたが、大多数のサポーターはまだショックを引きずったままで、少なくとも、オーストラリアにリベンジするまでは、その傷は癒えなかっただろう。したがって、傷心を癒すには、最高の勝利となった。
確かに90分で勝利できれば理想だったし、10人となったあとは、畳み掛けることも可能だった。だか、それによって、オーストラリアにカウンターを許す可能性も残っていた。延長戦では、攻めあぐねたのも事実だが、しゃかりきになって攻めなかった点は、それはそれで評価したい。
■ もう一度、代表に夢を見てもいいのだろうか?
結果は、PK戦での勝利だったが、わずか一年前に、カイザースラウテルンで完敗したチームを相手に、試合中は、ポゼッション率でも、シュート数でも圧倒した。これは、まぎれもない事実である。
この大会の日本は、中村俊輔・遠藤保仁・中村憲剛という稀代のプレーメーカー3人を要し、ポゼッション率は、すべての試合で60%を超える。これは、驚異的な数字である。ほんの数ヶ月前は、誰しもが、現代サッカーにおいては、彼ら3人を共存させることなど不可能なことだと思っていたし、それが「カミカゼアタックの是非」という議論も生んだりもしたが、いまや、彼ら3人の同時起用は当たり前になっている。オシム監督は、マジシャンではないが、マジシャンのようなことを、誰にも気づかれないように、あっという間に成し遂げることが出来る。
ボク達は、ドイツの地で、「夢を見ることの愚かさ」と「夢を見ることのむなしさ」を知ってしまった。右肩上がりの時代は終わって、これからは、しっかりと現実を受け止めて、厳しい現実と見つめ合いながら、戦っていかなければならないと思っていた。だが、もしかしたら、オシム監督なら、オシム監督が率いる代表チームならば、いつか見た夢の続きを見させてくれるかもしれない。そんなことを感じたオーストラリア戦であった。
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