■ 「サポーター≠過激、サポーター≠フーリガン」「サポーター=過激」というイメージを持つ人は多い。2002年の日韓W杯の直前の時期にイングランドのフーリガンが大きな話題となってニュース番組やワイドショーなどで盛んに取り上げられたことが過激なイメージが刷り込まれてしまった最大の理由の1つと言える。ただ、そもそもとしてフーリガンとサポーターを同一視するのは間違った見方であり、過激な行動をとるような人たちはサポーターとは言えなくなる。
サッカーは世界中で行われているスポーツなので観戦に来た過激な集団が暴徒化して大騒ぎになるケースは結構な頻度で起こる。そういう話が日本でニュースとして伝えられると「サポーター=過激」というイメージがさらに刷り込まれてしまうがJリーグのサポーターと外国のサポーターは全然違っている。同じように一緒くたにされるのは(ごく普通の)Jリーグのサポーターにとってはひどく迷惑な話である。
サッカーという競技が世界規模のスポーツであるが故の1つの大きな悩みになっているが、もちろん、Jリーグのクラブのサポーター集団といっても様々である。Jリーグを代表するサポーター集団と言われる浦和レッズのサポーターは熱くて激しい応援スタイルが基本。彼らの熱狂的な応援はJリーグの名物になっている。他には柏レイソルや松本山雅やベガルタ仙台なども熱狂的な応援がクラブのウリになっている。
■ 温かさがチームを育ててきた川崎フロンターレその一方で「過激さ」とは正反対に近い立ち位置のクラブもたくさんある。ほとんどの人はお金を出してチケットを購入してスタジアムに通っているので選手がふがいないプレーをしたり、チームが思うような結果を出せないときはカッとなって厳しいことを言いたくなるものであるが、そういうときだからこそ、罵声を浴びせるのではなくていつも以上の拍手を送って選手とクラブをサポートしようとする。
ここでは「(いい意味での)温かさ」というフレーズを使いたいと思うが代表格に挙げられるのは川崎フロンターレである。試合に敗れたとしてもブーイングを浴びせることはほぼ無い。もちろん、ブーイングにはいくつかの種類がある。選手やクラブを発奮させる意味でのブーイングは必ずしも全面的に否定させるべきものではないが、結果が出ないときも支えてくれる人たちの存在は選手やクラブの大きなパワーとなる。
川崎FはJ1に再昇格した後は十分な結果を残しており、相馬監督時代を除くと基本的にはいつもJ1のトップ集団に入っているので「全然勝てなくて殺伐とした雰囲気になる。」ということがほとんどないチームである。サッカースタイルも攻撃的で魅力的なのでサポーターがフラストレーションをためることなく観戦できるケースが多い点も関係しているとは思うが「温かさ」がチームを大きくしてきた部分は間違いなくある。
■ 「地方クラブならではの良さ」を持つヴァンフォーレ甲府ヴァンフォーレ甲府のサポーターも「温かさ」を持った典型的な集団と言えるだろう。川崎Fとは違って毎年のように残留争いに巻き込まれているので思うような結果を出せないケースは多いが、それでも山梨中銀スタジアムが殺伐とした雰囲気になることはほぼ無い。甲府というクラブを表現するときは「プロビンチャ」というフレーズが使われることが多いが「地方クラブならではの良さ」が感じられるクラブである。
サガン鳥栖も「サポーターの温かさ」に支えられて大きくなってきたクラブと言える。ベストアメニティスタジアムという日本屈指の専用スタジアムを持っていることが1つの強みだったが、「サポーターの温かさ」も負けず劣らずのクラブの武器になっている。鳥栖市の人口は2010年の統計では69,069人。J2のクラブを含めても最少の部類に入るが、この規模でJ1に居続けることができるのにはそれなりの理由がある。
同じように地方のクラブであるファジアーノ岡山も「サポーターの温かさ」が取り柄になっている。ちなみに岡山市の人口は709,622人。街の規模はかなり大きい。(川崎Fは例外であるが)基本的にはアットホームな温かさを醸し出すことが出来るクラブは街の規模が小さいクラブが多いが、ファジアーノ岡山というクラブは「都会的な良さ」と「地方ならではの良さ」をいいとこ取りしたクラブになりつつある。
■ 温い(=ぬるい)と言われることが多いセレッソ大阪だが・・・。「温かさ」という点ではセレッソ大阪もトップクラスと言えるだろう。同じ大阪府内で活動しているライバルクラブのG大阪のサポーターに対しては「熱狂的」や「過激」というフレーズがよく使われるが、C大阪のサポーターには過激な部分はほぼ無い。どちらかというと「温い(=ぬるい)」と言われることが多い。同じ大阪府内のクラブであっても北にあるG大阪と南にあるC大阪ではサポーターの気質が大きく異なる。
C大阪は客層がJリーグのクラブの中でかなり特殊な部類。若い女性が多くておばちゃんも多い。大阪というと「人情の街」と言われることが多いがC大阪が主に活動している地域は特にその傾向が濃いエリアである。「温かさ(=あたたかさ)」と「温さ(=ぬるさ)」は紙一重なところがあるので、「温さ(=ぬるさ)に近い温かさ(=あたたかさ)」が選手やクラブにとってマイナスに作用している部分がないとは言えないだろう。
ただ、そういう部分もひっくるめてC大阪である。そして、そういう空気が悪いとは必ずしも言えない。そして、そういうクラブの空気がMF香川やMF乾やMF清武やMF柿谷やMF山口蛍など多くの日本代表クラスの選手を育ててきたのも確かである。近年のC大阪のように思うような結果が出ないとクラブを取り巻くいろいろな部分を否定されてしまうがクラブとしてのアイデンティティを失ってしまっては元も子もない。
同じような空気はコンサドーレ札幌に感じられる。札幌のサポーターも我慢強くて温かいサポーターが多い。下部組織が充実しているのでユースから優秀な選手が出てくる確率の高いクラブであるが「若手の有望株をみんなでサポートして育てていこう。」という空気もある。あまりにも心地よい環境でありすぎることが20歳を超えると伸び悩む選手が多い理由の1つなのかもしれないが、同様に否定されることではない。
Jリーグの53クラブの中で「サポーターが(いい意味で)温かいクラブ」というと・・・。 ・川崎フロンターレ
・湘南ベルマーレ
・サガン鳥栖
・ヴァンフォーレ甲府
・大宮アルディージャ
・セレッソ大阪
・愛媛FC
・コンサドーレ札幌
・ファジアーノ岡山
・ガイナーレ鳥取
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