オシムはジェフの選手を「ひいき」してはいないか?
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■ コメントより
昨夜のUAE戦を終えて、ハッサン2世さんから、次のようなコメントをいただきました。
とても参考になります。
遠藤は本当良かった。
かなり叩かれてますけど巻は今日、自分も良かったと思います。
ただ巻の1トップは高原さんの1トップよりキツイですね。
巻でも矢野でも次は彼ら自身の得点を期待します
最後に他ブログなどを見ると必要以上に巻羽生山岸水野阿部が叩かれていてジェフサポでない自分も悲しくなります。彼らはそんなに悪いプレーしてると思えないのですがどうなんでしょう?
ハッサン2世さん、どうもありがとうございました。
■ ジェフ千葉の選手の選考はどうなのか?
さて、話題にのぼったジェフ千葉は、J1リーグの前半戦を終えて、14位。残留争いに巻き込まれそうな勢いである。そのジェフ千葉から、4人の代表選手(FW巻、MF水野、MF羽生、MF山岸)がアジアカップに選ばれていて、オシムの秘蔵っ子といわれる浦和レッズのMF阿部も含めると、確かにオシム監督が、ジェフ時代に手塩にかけて育てた、愛弟子といえる選手が多く、日本代表チームに選出されている。そのことに対する疑問の声は、少なくない。
このことについて、羽生直剛自身も、自身のブログの中で、
「ガンバ戦が終わってからいろいろな人と話している中でも代表監督のオシムさんもとても重い荷物を背負ってるんだと思いました。世間のバッシングの中、ジェフから5人(巻、水野、羽生、山岸に怪我で離脱した水本を含む。)も代表に呼ぶ。それは、オシムさん自身にとっても危険な事であり、自分の信念を曲げないというひとつの挑戦なんだと・・・。」
と語っている。
■ これはひいきか?
表題のとおり、「オシムはジェフ千葉の監督だったから、ジェフの選手をひいきしている。」と本気で考える人が、もしいるとしたら、そこで、この妥当性に関する議論は、ストップしてしまう。こういった考え方は、あまりにもプロの監督に対して非礼な言葉であり、こういう思考をもつ人は、たいていの場合、ジェフ千葉の選手を一括りにして、誰かが活躍したとしても、それを素直に認めようとはしない。
だが、そうではなくて、正常に物事を考えられる人の中にも、(代表監督がかつて率いたチームの選手を重視してチーム作りを行うことに対して、理解を示しつつも、それでもなお、)オシム監督の選考は、ややバランスを欠いているのではないかと考えたとしても、不思議ではないと思う。
名実ともに、日本のトッププレーヤーの一人である阿部を除くと、オシム監督の選ぶジェフの選手(巻・羽生・山岸・水野あたり)は、Jリーグでも、頂点に立つ選手ではない。したがって、単純に、プレーヤーとしての優劣で計るのならば、彼らよりも、優れた選手が、いないわけではないからである。
だが、プレーヤーを比較するときは、細心の注意を払わないと、案外と、説得力のないものになってしまうのである。たとえば、同じMFであっても、カカ(ACミラン)とランパード(チェルシー)を比較するのは無意味なことであるし、同じFWであっても、クリスチャーノ・ロナウド(マンチェスターユナイテッド)とドログバ(チェルシー)の比較を行うことも、同様である。サッカーはチームスポーツなので、単純な個人能力も大切ではあるが、メンバーの選考や起用方法といった段階では、グループ(集団)として見たときに、どれだけ、効果的な働きができるかが重要になるのである。
もし、新星・横浜FMを引っ張るMF山瀬功治の代表入りの可能性を探るのであれば、まずは、山瀬が代表入りしたときに、同じポジションで同じような役割を与えられることになるMF中村俊輔やMF遠藤保仁との優劣で判断すべきであり、ポジションこそ同じMFではあるが、まったく与えられる役割の異なるよ想像できる、サイドアタッカーの水野や山岸との比較では意味を持たないし、同ポジションの羽生との争いでいえば、しばしば、代表戦で見せる、途中出場の羽生のアグレッシブでクレバーな活性化を、山瀬にも期待してもいいものなのかどうかという点を、論じなければならない。
同じことは、現在、J1の日本人得点王でありながら、まだ、オシムジャパンに1度も選出されていない大久保嘉人の選考に対してもあてはまる。ゴール数を見れば、フォワードの巻あるいは矢野を上回っているが、巻や矢野に求められるプレーを、大久保がこなすことは不可能であり、したがって、大久保にとっての当面のライバルは、巻ではなくて、佐藤や播戸ということになる。
したがって、ボクは、ジェフ千葉の選手が、今回、4人、アジアカップに参加している点に、不満はない。巻も、羽生も、水野も、山岸も、それぞれの選手が、明確な「自分だけの武器」を持っており、代表チームにふくらみをもたらすことのできる存在であり、今シーズン、ゴール数が伸びない巻を除く、羽生・水野・山岸の3人は、J1でも、代表候補に値するだけの結果を残している。
■ 色眼鏡を払拭するために・・・
ボクにとっては、(そして、ハッサン2世さんのような人にとっても同様に)、日の丸のユニフォームを着た選手たちを、区別することはしない。だから、「ジェフ千葉の巻のゴール」も「アルビレックス新潟の矢野のゴール」も同等の興奮をもたらすし、「ジェフ千葉の羽生」、「浦和レッズの鈴木」、「広島の駒野」、「磐田の川口」といった風な感情は持たない。
しかしながら、ジュビロ磐田のサポーターとしては、やはり、「ジェフ千葉の水野」ではなくて「ジュビロ磐田の太田」を起用して欲しいと願うし、サンフレッチェ広島のサポーターであれば「ジェフ千葉の羽生」ではなく「サンフレッチェ広島の佐藤」を起用して欲しいと願うのは、当たり前であり、自然なものである。
したがって、巻や羽生や水野や山岸は、オシム監督の期待にこたえるためにも、周囲の疑念を払拭する必要がある。彼らは、(代表試合ですでに明確なインパクトを与えているMF羽生を除くと、)悪くないパフォーマンスを見せているが、周りのライバルを圧倒するだけの成果を挙げているわけではない。したがって、恩師のオシム監督が代表監督である以上、彼らに対するハードルが高くなるのは当然であり、少々のバッシングを受けたとしても、仕方のない状況ではある。
だが、それでも、明らかに、現状では。ハッサン2世さんのおっしゃられるように、現状では、必要以上に巻や羽生や山岸や水野や阿部が叩かれている節がある。よって、一番、手っ取り早く、周囲を納得させるために、フォワードの巻であれば、「ゴール」という結果を残すことが求められる。明確な結果を残すことで、周囲を黙らせることが可能であるからである。
残念ながら、UAE戦の前半に巻がフリーのヘディングシュートを外したシーンは、何度もリプレーで流されて人々の記憶に残るが、同じ巻が、後半の苦しい時間帯に、ルーズボールを相手DFと競り合って、マイボールのスローインをもぎ取ったシーンは、ほとんど記憶に残らないものである。
オシム監督も、彼らを起用することで、周囲から、必要以上のバッシングが生まれることは十分に理解していると思われるし、また、彼ら自身がより多くのプレッシャーを抱えた状態でプレーしなければならないことも、承知であろう。だが、それでも、彼らを信頼して起用するということは、それだけ、オシム監督が、彼らの能力(特に、精神力)を評価していることの証であるだろうし、深い絆が見て取れる。
■ オシム監督に望むこと
ただ、ボクから見ると、オシム監督は、それでもなお、周囲に気を使って、細心の注意を払って、選手起用をしているように感じる。例えば、DFに守備能力だけを求めるわけではないオシム監督としては、(今回は、怪我があったが)日々、成長を遂げるジェフ千葉のDF水本を起用したいと考えていると思うし、ボランチの位置からのアグレッシブなプレーで得点を奪うMF佐藤勇人のプレースタイルも、現代表メンバーにはない違った魅力を持つボランチとして、新たな戦力として計算しているものと想像できる。現代表には、ジェフ千葉から4人の選手が代表に選ばれているが、今後、その人数が増えることも、十分にありうるように思う。
だから、オシム監督には、あまり、ジェフ千葉の選手だからといって、「優遇」も「冷遇」もすることなく、1人の代表候補選手として、ほかのチームの選手と同様に、自分が起用したいと思う選手を、ほかに惑わされることなく、素直に起用していって欲しい。そうするのが、一番いいのではないかと思う。それが、必ず、日本サッカーのためにもなると思うのである。
さて、この件に関して、皆さんは、どうお考えでしょうか?ご意見があれば、コメント欄から、お願いしますね。
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