【日本×コロンビア】 初タイトル獲得
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■ 海外組が揃って先発出場
日本代表は、海外組のFW高原、MF中村俊輔、MF稲本、DF中田の4人がスタメン出場。<4−5−1>の布陣で、高原の1トップ。中盤は、中村俊輔・稲本潤一・中村憲剛・鈴木啓太・遠藤保仁。DFラインは、右から駒野・中澤・阿部・中田浩二。GKは川口。
先発が予想されたFW巻がスタメンから外れて、中村俊輔・遠藤・中村憲剛というテクニシャンを同時起用してきた。このスタメンを見て、90年W杯のユーゴスラビアと西ドイツの試合を思い起こした人も多いはずだ。
■ 激しいペースの前半
試合は、序盤から、日本もコロンビアも、オーバーペース気味でプレスをかけて、早い攻撃を目指す、めまぐるしい展開が続く。そんななか、前半15分に、中村俊輔のパスミスから日本が決定的なピンチを迎えると、このプレーを境に、コロンビアが日本を圧倒し始める。
日本は、中盤の人数は多いものの、役割分担が不明確で、コロンビアの攻撃をブロックできない。阿部と中澤の両CBが最終段階で凌いで、何とか前半は無失点に抑えたが、明らかに劣勢だった。
■ 羽生と今野の投入
日本は、後半のスタートから、MF稲本に代えてMF羽生、DF中田に代えてDF今野を投入すると、これが、功を奏して、コロンビアに対して、優勢以上を保つようになる。特に、羽生のスペースへの飛び出しが、攻撃を活性化し、さらには、守備にもいい影響を与えた。
日本は、フリーの中村憲剛のシュートシーンや、高原のヘディングシュートなど、いくつかチャンスを作った。しかし、コロンビアの壁は崩せずに、結局、無得点。しかしながら、守備陣も高い集中力を見せて、無失点。キリンカップを1勝1分で終えて、3年ぶりの優勝を飾った。
■ 最悪の前半
前半の20分過ぎから、40分過ぎまでの時間帯は、オシムジャパンになってから、最悪の試合内容だった。コロンビアの選手の個人能力が高かったという理由もあるが、プレスで囲んでもボールを取れないことが多く、また、相手の激しいプレッシャーから、簡単にボールを失うシーンも目立った。
特に、稲本のプレーには、失望させられた。稲本に与えられた役割が不明確だったことは考慮すべきだが、攻守に、何一つ仕事をすることなく、ピッチを去ることになった。前半の日本は、10人で戦っていたのも同然だった。
残念なのは、稲本の意識の低さである。仕事場が見つからないならば、自ら探そうとする意識が必要だが、それもほとんど見られず、45分間、中盤で浮遊した。もう、代表で、稲本にチャンスはないかもしれない。
■ 立ち直った後半
最悪の前半だったが、それでも、後半から、選手交代がきっかけになって、見事に修正して持ち直したことは、評価できる。試合中に、悪い流れを立て直すことは、簡単ではないからだ。
羽生と今野の投入がきっかけになったのは間違いないが、おそらく、この交代で一番刺激を受けたのが、中村俊輔と高原直泰だっただろう。欧州組といえども、パフォーマンスが低ければ、ハーフタイムでの交代も辞さないというオシム監督の厳しい姿勢が、無言のプレッシャーを与えて、彼ら2人の後半のパフォーマンスを引き上げた。
■ 有意義なテストマッチ
それにしても、コロンビアは、いいチームだった。観光気分で来るチームも多いキリンカップだが、前半から、激しいプレスで戦う姿勢を見せてきたコロンビアは、これ以上ないくらいの相手だった。
特に後半は、タイトルマッチらしく、両チームともフルパワーで戦った。これまで、競った試合が少なかったオシムジャパンにとっては、有意義な試合となった。
■ 前半のうちに修正は出来なかったのか?
ハーフタイムで、オシム監督が羽生と今野を投入して状況が一変したことは、見てのとおりだが、それでも、前半のうちに、フィールド上の選手同士で、何か修正できなかったのか、という疑問は残る。
世界と戦うとき、耐えなければならない時間帯は必ず訪れるものだが、その時間帯に、失点を喫してしまったら、挽回するのは、非常に厳しくなる。先に先に手を打っていかなければならない。前半の<4−5−1>のフォーメーションが機能していないことは明白だったのだから、どこかの時間帯で、モデルチェンジが必要だったのではないだろうか?
システム変更に関しては、阿部勇樹の判断で行われているようだが、気心の知れた国内組中心の試合では出来ていたのに、海外組(中村・稲本・中田)がいるからか、臨機応変に出来なかったとも考えられる。そうだとすると、非常に残念ではある。
■ 中村俊輔について
前述のように、中村俊輔のプレーは、前半は良くなかったが、後半は持ち直した。トータルでは、彼にしては、可もなく不可もなくといった感じだろう。だが、ひとつひとつのプレーコンテンツは、確実にペルー戦よりも上がっていて、今後に期待できるプレーを見せた。
ペルー戦に比べると、足元で待ってもらう場面が激減し、動いてボールをもらおうとする意識が強く見られた。前回の反省を生かして、確実にレベルアップした姿を見せたと思う。彼は、非常にクレバーな選手なので、試合を重ねるごとに、味方に融合していくだろう。
■ 高原直泰について
さて、この試合は、高原が、非常に目立った。国際舞台で1トップをこなすには、体格的には苦しいはずだが、何も言い訳することなく、相手DFと戦い続けた。この姿勢は高く評価できる。
FWにとって、信頼感を高めていくことが何よりも大事であるが、ノーゴールだったとはいえ、黙々と前線で戦う高原の姿をチームメートは頼もしく見えただろう。
■ 阿部勇樹について
高原と並んで、好プレーを見せたのが、CBに入った阿部である。前の試合は、左サイドバックとリベロをこなしたが、この日は、CBでプレーし、鋭い危険察知能力で、コロンビアの攻撃をことごとくストップした。
阿部は、昨シーズンあたりから、危険なシーンに体をはって阻止するプレーが目立ちに目立っていて、守備面でのスケールアップが著しい。なかなか、相手に攻撃を受ける機会の少ない浦和レッズでは、阿部のもつ守備的な良さは発揮されにくいので、ホームスタジアムのさいたまスタジアムのサポーターは、いつもとは、少し違う阿部勇樹のプレーを生で見て、感じるものが多かったのではないだろうか?
■ 事情を理解しよう。
さて、キリンカップは終了し、オシムジャパンは、アジアカップに臨むことになる。これまで、多くの選手を代表に抜擢し、選手選考を行ってきたが、主力選手は決まってきており、チームの幹はできた。
ここでひとつ、代表という場は、選ばれた選手だけがプレーするステージなので、すべての選手を幸せにすることは出来ないという点を、理解すべきであろう。
各チームのサポーターは、所属の選手に対して、当然のように代表での活躍も願っていると思うが、チームで主力級の選手であっても、代表ではサブかもしれないし、呼ばれたり呼ばれなかったりという不安定な立場かもしれない。ただ、それは、仕方がない。この点は、各チームのサポータも、割り切って、見守るべきではないかと思う。すべての選手を優遇しようとすると、どこかでひずみが生まれてしまう。
◆ 個々の採点 ◆
GK 川口(磐田) 6.0
→ キックの精度がいまひとつだった。ただ、ビッグセーブもあった。
DF 駒野(広島) 5.5
→ アーリークロスの精度はいまひとつ。ただ、前半は、駒野のサイドアタックが、唯一の突破口だった。不可欠な選手になりつつある。
DF 中澤(横浜FM) 6.5
→ 高さが光った。安定感があって、頼りになる存在。
DF 阿部(浦和) 7.0
→ 鋭い読みで、コロンビアの攻撃を食い止めた。能力の高さを見せ付けた。
DF 中田(バーゼル) 5.5
→ それほど悪くはなかったと思うが、やや消極的という気もする。次戦に期待。
MF 鈴木(浦和) 6.0
→ パスがぶれることが多かったが、攻守に不可欠な存在であることを印象付けた。
MF 中村(川崎) 5.5
→ 相手に狙われた感もあって、ボールを失うシーンも数多かった。決定的なシュートは決めておきたかったが、ゴール前に上がるタイミングは、非常に良かった。
MF 稲本(フランクフルト) 3.5
→ ほとんど何もできないまま、前半でピッチを去った。気の毒な部分もあるが・・・。
MF 遠藤(G大阪) 5.5
→ キックの精度が低く、セットプレーのチャンスを生かせなかった。飛び出す意識の高さは良かった。
MF 中村(セルティック) 6.0
→ 安易なミスもあったが、高パスもあった。徐々に、チームになじんできている印象。
FW 高原(フランクフルト) 7.0
→ ゴールはなかったが、素晴らしい動きで、1トップの重責をこなした。
サブ 今野(FC東京) 6.5
→ 後半は、一度も、左サイドを破られることなく、パーフェクトに守った。
サブ 羽生(千葉) 6.5
→ 動いてリズムを作った。停滞ムードを打開できるカードとしては、かなり貴重な存在である。
サブ 巻(千葉) 5.5
→ 見せ場はなかった。ボールを引き出したかった。
サブ 播戸(G大阪) 採点なし。
→ 激しい追い込みで、チームに活気を与えた。
サブ 藤本(清水) 採点なし。
→ 果敢な突破を見せた。もう少し長い時間見たかった。
監督 オシム(日本) 6.5
→ 選手交代で、立て直したのは見事だが、機能しないことを見越して、スタメンを決めたのではという疑念も生まれるが・・・。
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