千葉×広島 埋まらない穴
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■ ウェズレイのハットトリック
開幕から調子の上がらないジェフ千葉が、ホームのフクアリにサンフレッチェ広島を迎えたJ1第12節。
この試合は、立ち上がりから広島の速攻が冴え渡り、前半5分に、千葉のDF中島のハンドからPKを獲得すると、FWウェズレイが決めて先制。さらに、前半23分、前半36分にも、ウェズレイがゴールを決めて3対0とした。
後半に入ると、千葉は、攻撃的な選手を多く投入して攻勢に出るが、結局、後半21分の水野のゴールで1点を返すのが精一杯。両チームの完成度の差が、そのままスコアに表れた。
■ 熟成する広島
勝ったり負けたりの状態が続いていて、なかなか上位に食い込むことは出来ないが、サッカー自体の質は上がってきている。3バックの一角であるDFダバツを怪我で失った以外は、ほとんど、メンバーが固定されており、試合を重ねるごとに、熟成しているように思われる。
千葉戦では、立ち上がりすぐに先制されたこともあって相手の千葉が前がかりになって、カウンターが狙い放題だったこともあり、ポゼッションしてから崩すシーンはほとんどなかった。
だが、敗れたとはいえ、11節の横浜FC戦の後半のサッカーは、非常にハイレベルな崩しを連発しており、カウンターでも、ポゼッションでも、相手を崩すことができるようになってきている。
■ 戸田の充実振り
その中でも、DF戸田の充実ぶりが目に付く。トルシエジャパンで、ボランチでポジションをつかんだという記憶が強いため、MFというイメージが定着しているが、もともとは、清水に入ったころから、DFラインでプレーをしているので、守備面での不安はほとんどないし、また、ボランチ時代にフィード力を磨いているので、3バックの中央で展開力を求められても、十二分にこなすことができる。
リーダーシップや激しい闘争心も、おとなしいイメージの強い広島の他の選手にはない魅力である。カードの多さも、徐々に改善されており、今後も、戸田の活躍が、広島浮上の鍵を握るだろう。
■ オシム門下生の戦い
良く知られているように、千葉のアマル・オシム監督はもちろん、広島のペトロビッチ監督も、オシム日本代表監督の門下生である。両チームのサッカーからは、イビチャ・オシムの影響を受けた部分も見受けられる。
ただ、アマル・オシムはアマル・オシムであり、ミハイロ・ペトロビッチはミハイロ・ペトロビッチである。イビチャ・オシムのサッカーの良さは取り入れてはいるものの、自分なりにアレンジしてチームを作っている。
例えば、千葉の両サイドの選手のバランスの取り方や、ダブルボランチの役割分担は、明らかにイビチャ・オシムのサッカーとは異なるし、ロングボールの使い方にも、イビチャ・オシムとの違いを感じる。
そして、当のイビチャ・オシムが日本代表で目指すサッカーも、ジェフ市原時代やジェフ千葉時代のものとは、また、少し、方向性が違っている。このあたりの違いを感じるのも、非常に興味深い。
■ 埋まらない穴
今シーズン前、阿部と坂本が移籍して、果たしてその穴が埋まるのかどうかが話題になったが、もうひとつ、FWハースの抜けた穴も空いていて、現時点では、そのハースの穴が一番、埋まっていないように思われる。その思いは、昨シーズンまでのハースと似た役割が与えられている広島のFWウェズレイを相手にしたことで、さらに強くなった。
広島の選手も千葉の選手も、非常に良く走る選手が揃っているが、その走りを効果的な走りにできるのか、無駄走りにしてしまうかは、「エクストラキッカー」と呼ばれる、タレントの力にかかっている。広島のウェズレイが、見事なキープ力とセンスでチームメートを生かし続けたのに対して、千葉の「走り」が効果的なものになるシーンは、ほとんどなかった。
シーズン途中に、MF工藤をスタメンに起用し、MF羽生とトップ下に並列させることで、改善を図った時期もあったが、そうすると、FW巻の負担が増大して、巻のプレーレベルも落ちてきている。
■ 新居の抜擢はどうか?
幸いにも外国人枠は空いているので、新外国人FWを獲得するのが一番手っ取り早いが、もうひとつ改善案を挙げると、FW新居の起用である。ここまで、ゴールはないが、得点感覚の鋭さは折り紙付きで、J1レベルでも、十分に通用するポテンシャルを持つ。
その新居と巻の2トップにして、新居をファーストトップ、巻をセカンドトップに配置するのはどうだろうか?新居は170cmと小柄なため、セカンドストライカーのイメージがもたれているが、実際に、鳥栖では、1トップを務めることが多く、相手DFを背負ったときのプレーも力強く、ポストプレーも正確である。
また、巻にしても、ハイプレッシャから逃れられて、持ち味を発揮できるようになるのではないだろうか?昨年末のサウジアラビア戦で、同じポストプレーヤータイプの我那覇と組んで、素晴らしいパフォーマンスを見せた巻の姿は、強く、印象に残っている。
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