京都×札幌 対照的な開幕戦
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■ リスタートの開幕戦
一年でJ1からJ2に舞い戻ってきた京都サンガが、ホームの西京極で三浦監督を迎えて評価の高いコンサドーレ札幌と対戦する、今節Jリーグ最高のカード。J2降格後、CB秋田、CB森岡、MF倉貫、FW徳重といった実力者を獲得し戦力アップした京都に対して、札幌はFWフッキとDF加賀が退団。戦力ダウンの声もある中で、代役のFWダヴィのプレーに注目が集まった。
京都は、<4−2−2−2>。新人のMF安藤が先発出場で斉藤とダブルボランチを組む。森岡は右サイドバックで先発し、秋田はベンチスタートとなった。一方の札幌は、<4−4−2>。ダヴィと中山の2トップでスタートし、C大阪から移籍したブルーノ・クワドロスがCBに入った。
試合は、ホームの京都が優勢。前半17分、パウリーニョの右からのクロスを中央のアンドレがヘディングシュートで決めて先制。後半19分にも、混戦からパウリーニョが右足で決めて追加点。札幌に対して、ほとんど決定機を作らせない快勝だった。
■ 柱谷時代のサッカーと美濃部氏のサッカーが融合した京都
京都は、中盤の核として期待されるMF倉貫の登場が4月以降になりそうだが、現有メンバーだけで戦っても、かなり安定したサッカーが、シーズンを通して出来そうだ。
昨シーズンの京都は、一昨シーズンにJ2で培った柱谷監督のポゼッション重視のスタイルと、途中で監督に就任した美濃部監督のしっかりプレスをかけて戦う姿勢を前面に押し出すスタイルの2面性があったが、この試合では、両者のいい部分を取り入れた、かなり質の高いサッカーが出来ていて、今後に期待を抱かせる展開だった。
■ パウリーニョ&アンドレ
特に良かったのは、FWパウリーニョ。昨シーズンは、やや精彩を欠いた時期もあったが、今シーズンは、スタートから万全で、怪我さえなければ、J2の得点王は確実ではないかと思わせるほどのプレーぶりだった。裏にすり抜けたときの一瞬のキレは、J2レベルでは特出している。
昨シーズンは怪我に泣いたFWアンドレだが、もともと高い能力に疑いの余地はなかった。ボックス内で仕事ができるのがアンドレの魅力で、まだ、パウリーニョとのコンビネーションは万全ではないが、かみ合ってくると、とてつもない破壊力を秘めた2トップになりうる。
■ 進化を感じた中盤
今シーズンの京都の鍵を握るのは、間違いなく中盤であるが、この試合では、ボックス型で、中山と美尾が攻撃的な位置で斉藤と安藤が下がり目の位置に入ったが、バランスはかなり良かった。
昨シーズンは、左右のサイドハーフのポジションは固定で、ポジションチェンジを行うことはほとんどなかったが、今シーズンは、かなり流動的。左利きの美尾が右サイドに流れてきたり、中山が2トップの真下に入ってラストパスを狙ったりと、攻撃はバラエティに富んでいた。
ダブルボランチの斉藤と安藤はともに攻撃力のある選手だが、役割分担は、斉藤がやや守備的で、安藤が前に出る形が多かった。ただ、この試合でも、膠着したときに斉藤の右足から放たれるパスが局面を打開していたので、斉藤が過剰にバランス取りに気を使うようだと、持ち味が発揮されずに、有効とはいえない。今後の数試合で、どういうダブルボランチの関係になるのか、注視したい。
■ リセットされた札幌の戦い方
対照的に、札幌の戦い方には失望した。昨シーズンまで指揮を取った柳下監督の下、アクションサッカーを掲げて、J1昇格はならなかったもののアグレッシブな試合内容には、賞賛の声が多かった。最大の目標であるJ1昇格に失敗したことが原因で、オフに柳下監督から三浦監督に交代したわけだが、この試合を見る限り、この3年間は、いったい何だったのかという思いが残った。
失望の要因は、三浦監督のチーム作りにある。大宮時代から組織的な守備戦術を駆使した、ソリッドなチーム作りに定評のある監督だが、シーズン前は、柳下監督が作ったベースに三浦監督の高い理論を組み入れることができれば、昇格の可能性は高いのではないかと見ていたが、現実には、ほとんど柳下監督時代の色は見えず、完全に、自分の色を押し込めたチームになっていた。相手が、J2屈指の戦力を持つ京都だったことも過剰に守備的になった原因かもしれないが、それにしても、ひどい試合内容だった。
シュート数は、わずか5本。フッキなきあと、このチームは、MF砂川とMF西谷の2人のタレントに、いい形でボールを預けられるかが、ポイントになることは明らかだが、攻撃の形は見えず、単に、彼らも労働者の1人として扱っていた。J2では、守備が大事なのは理解できるが、現状では、極端な守備戦術がマイナスに作用していると結論付けるのが自然で、FWダヴィがスーパータレントでない限り、J1昇格レースに食い込むことは難しいのではないだろうか。
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