フォワード → このポジションに関しては、「ベストプレーヤー」を考える必要もない。誰がどう考えても、甲府のFWダヴィで決まりである。2011年はコンディション不良もあって、10試合でノーゴールに終わったが、2012年は36試合で32ゴールと信じがたいペースでゴールを量産している。持ち前の突破力とシュート力に加えて、今シーズンは、勝負強さも光っていて、後半の終了間際の劇的なゴールが多かった。すでにJ2優勝も決まっており、「リーグMVPもFWダヴィ以外にはありえない。」という状況である。札幌や名古屋で結果を残してきた選手なので、実力のある選手なのは明らかだったが、ここまでやるとは想像できなかった。
したがって、次から挙げる選手は、「候補」とは言いにくいが、活躍が目立った選手というと、東京VのFW阿部、岡山のFW川又、千葉のFW藤田祥、北九州のFW端戸、大分のFW森島康、愛媛FCのFW有田、松本山雅のFW塩沢などの名前を挙げることが出来る。東京VのFW阿部は37試合で18ゴールと結果を残しており、例年であれば、得点王に輝いてもおかしくないペースでゴールを重ねている。今シーズンはパートナーが定まらず、いろいろな選手と2トップを組むことになったが、どんなタイプの選手とも、コンビを組むことができる。万能型の選手で、J1でも二桁ゴールを記録できるだけの能力を有しており、日本人では屈指のアタッカーと言える。
岡山のFW川又は、新天地で大ブレークを果たした。新潟時代は通算で29試合でノーゴールということで、リーグ戦ではゴールが無かったが、2012年は35試合で15ゴールと結果を残して、得点ランキングでも3位に付けている。岡山にはFWチアゴという大型ストライカーも控えているが、完全に1トップのポジションを確保した。もともと、ポテンシャルの高さは評価されており、「きっかけさえあれば・・・。」という選手だったが、岡山できっかけをつかんだ。シュート技術の高さが光るが、ポストプレーも上達して、ポストワークに関しても、J2のストライカーの中で、上位レベルと言える。
北九州のFW端戸も移籍をきっかけに大ブレークした。トップ下でプレーすることもあったが、いいところでボールを受けると、高い確率でチャンスを作ることが出来る。36試合で13ゴールというのは立派な成績である。ガムシャラに動くタイプではないが、ポジショニングが良くて、頭のいい選手と言える。同じく、愛媛FCのFW有田も移籍によってチャンスを得て、自身の評価を高めた。FW有田も34試合で13ゴールを挙げているが、ゴール前で体を張ったプレーができる選手で、希少価値の高いセンターフォワードタイプの若手である。神戸には、FW田代とFW都倉がいるので、神戸に残っていても、チャンスは無かったと思うので、愛媛FCにレンタルで移籍したのは正解だった。
大分のFW森島康、横浜FCのFW大久保、千葉のFW藤田祥など、実績のある選手の活躍も印象に残っているが、驚きを与えたのは、松本山雅のFW塩沢である。2006年から2008年までは水戸でプレーして、J2通算で73試合で8得点ということで十分な結果を残すことはできず、2009年と2010年はJFLの佐川印刷でプレーし、2011年から松本山雅でプレーしているが、今シーズン、反町監督になって、「フォワードの軸」となると、昇格1年目で9位と大健闘しているチームの中心として活躍している。32試合で10ゴールと結果も残しているが、何よりも、献身的なプレーが特徴で、ひたむきなプレーがチームのエネルギーになっている。
栃木SCで9ゴールを挙げているFW廣瀬もキャリアで最高のシーズンとなっているが、忘れてはならないのは、水戸のFW鈴木隆である。33試合で3ゴールなので、ゴール数は伸びていないが、MF橋本やMF小澤やMF島田など、若手のアタッカーを生かすプレーが秀逸で、ポストワークに関しては、J2のフォワードの中では、飛び抜けてうまい。相手を背にしたときの強さは抜群で、体の使い方は、多くの選手に真似してほしいレベルである。2002年のW杯のヒーローも36歳になったが、肉体的な衰えはほとんど感じさせず、エネルギッシュなプレーも変わっていない。
ということで、何人かの選手の名前を挙げてきたが、先のとおり、「ベストプレーヤー」は、甲府のFWダヴィ以外には考えられない。次点は、東京VのFW阿部、岡山のFW川又、北九州のFW端戸らの争いになるだろう。一方で、残念だったのは、2月のアイスランド戦で日本代表にも召集された京都が20試合で1ゴールと結果を残すことが出来なかったことで、同じくチームメイトのFW宮吉も、36試合で11ゴールという成績は、彼のポテンシャルの高さと京都の中盤の構成力の高さを考えるとやや物足りない。ここ最近はスタメンから外れる試合が増えているが、J1昇格は目前に迫っているので、最後に一仕事してほしいところである。
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