【鹿島×京都】 不振の柳沢敦
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■ 勝ち点3の欲しい両チーム
この試合が始まる前までの鹿島の勝ち点は36。首位のガンバ大阪とは13ポイントの差がある。サッカー界のひとつの目安として、順位が下のチームが、上のチームを逆転できる可能性があるかどうかを考えるとき、残り試合数と同じポイント以上の勝ち点差が付くと、逆転できる可能性はかなり薄くなる。この試合を終えると残り試合数は12。鹿島としてはなんとしても勝ち点3が欲しい試合。京都も、残留圏内の広島との勝ち点差が8。もう、引き分けでも許されない厳しい状況である。


試合は、前半から鹿島がなかなかリズムを作れずに苦戦。京都の林とパウリーニョの2トップのスピードある攻撃に、センターバックの岩政と青木が振り切られる場面もあった。攻撃では、左サイドの新井場を起点に攻めようとする意図は見えたが、ミネイロと柳沢の2トップが不調。後半17分に、その二トップに代えて田代と深井を投入。その直後、新井場のグラウンダーのクロスを児玉がクリアしきれずにオウンゴール。京都も終盤に、アンドレと松田を入れてパワープレーを仕掛けるが不発。1対0で鹿島が勝利した。
■ 押し気味の京都だったが・・・
シュート数は、鹿島の5本に対して、京都が15本。コーナーキックの本数も、鹿島の1本に対して、京都が9本。実際には、この数字が示すほど京都が優勢だったわけではないが、”人数をかけてボールを奪って、素早くサイドに展開してアーリークロスを送る”という戦法が徹底されていて、内容的には悪くはなかった。ただ、中に高さがなく、クロスの精度も低かったため、有効な攻撃は出来なかった。この試合でも、FWアンドレが先発落ち、右SMF加藤がベンチ外という状況で、なかなかベストメンバーが揃わないのが、苦しい。
明るい材料と言えるのが、左SMFの美尾が久々に復帰したこと。途中出場ながら、切れのあるドリブルで、左サイドからの攻撃を活性化させた。美尾を投入するとき、クロスの精度が低かった星をそのまま残して、この試合でも何度か決定的なチャンスをつかんでいた中払を下げた采配は疑問が残るが、ピニェイロが使えない中、貴重な駒になりそうだ。
■ 躍動感のない鹿島のサッカー
勝ち点3を獲得したものの、鹿島のサッカーは重かった。小笠原が抜けたとはいえ、まだまだいい選手が揃っていて、サイドバックを積極的にオーバーラップさせる戦術は鹿島の伝統を感じさせたが、何か物足りない。この試合では、鹿島の2トップの出来が極端に悪かったこともあるが、強豪チームとして優勝を狙うには、根本的な改革をしなければならない時期に来ているなという感じがする。
特に、柳沢の出来の悪さは、目を覆いたくなるほど。深井や田代という優秀なフォワードをベンチに温存してまで、柳沢を起用している理由が分からない。いったいなぜなのか?
■ 目立った野沢と新井場
そんな中、鹿島で目立ったのは、野沢。昨シーズン、10得点を挙げてプチブレークを果たしたが、今シーズンは、それほどの活躍が出来ていなかった。しかしながら、同ポジションの小笠原が移籍したことで、いよいよ本格化しそうな予感がする。この試合では、”鹿島は野沢のワンマンチームか”という感覚すら覚えた。
同じく、鹿島では、左SDFの新井場が良かった。今シーズンは、右SDFの内田のサイドが目立っていたが、この試合で脅威になっていたのは、新井場のサイドだった。これまではなぜかフル代表に縁がなかったが、最も人材を欠く左サイドのポジションで、一度は試されるべき能力の高い選手だということを再認識した。
■ 切り札の存在
京都としては、前半守って、後半にアンドレを投入して勝利を掴むという作戦だったようだが、鹿島のベンチに、スタメンの選手以上の能力とモチベーションを持った、切り札と言える存在の選手が深井と田代の二人もいたのが誤算だった。
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