■ 快進撃を続けるベルマーレ今シーズンのJ2で首位を走っているのが、貴裁監督率いる湘南ベルマーレで、7試合を終えて6勝1分けと、J2では唯一、無敗をキープしている。ここまでの7試合でリーグ最多の17ゴールを挙げているが、ベースになっているのが「運動量の多さ」で、新生・ベルマーレの武器になっている。
その湘南のスタメンの平均年齢は「22.27歳」で、J2の中では、もっとも下になる。スタメン11人のうち6人が、1989年1月1日以降に生まれたロンドン世代で、センターバックのDF遠藤に至っては、1993年2月9日生まれなので、さらに下のリオデジャネイロ世代となる。しかも、そのDF遠藤が、すでに4ゴール(=PK含む)を挙げていて、J2の得点ランキングで2位タイというのも、今の湘南の勢いを感じさせるところである。
ベルマーレというと、古前田監督の時代から、イケイケのサッカーで日本サッカーに旋風を巻き起こしてきたチームであるが、この勢いがどこまで続くのか、大いに注目されるところである。
■ J2のスタメン平均年齢「若さ」、「アグレッシブさ」、「運動量」、「勢い」というフレーズは、昨今のサッカー界で重要な要素になってきているが、J2の各チームのスタメンの平均年齢を出してみると、以下のようになった。もっとも平均年齢が低いのは、前述のように湘南の「22.27歳」で、次が京都の「23.91歳」、3位が岡山の「24.64歳」、4位が愛媛FCの「24.91歳」で、25歳を切っているのは、この4チームだけである。
下の表の「比」の項目は、
昨年の10月末にスタメンの平均年齢を出したときとの数字の差で、湘南は、そのときは「26.64歳」で、J2平均(=26.01歳)を上回っていたが、一気に、「4.37歳」も下がって、J2でもっとも若いチームとなった。貴裁監督は、大胆な改革を行ってきたが、ここまでのところ、結果も、内容も両立していて、見事な手腕を発揮しているといえる。
逆に、平均年齢がもっとも高かったのは、山形と横浜FCの「28.45歳」で、徳島が「28.09歳」で続いている。28歳をオーバーしているのは、この3チームだけで、横浜FCの45歳のMF三浦知が最年長だった。J2全体の数字は、昨年の10月末に集計したときとまったく同じで、「26.01歳」で、湘南以外で、平均年齢を大きく下げているのは、富山と甲府の2チームで、ともに、2歳程度、平均年齢を下げている。
ちなみに、カラー(=青色)は、監督が代わったチーム(※ 開幕後に岸野監督から山口監督になった横浜FCも含む)を表しているが、 新監督を迎えたチームの方が、平均年齢が高めになっている。監督が変わると、若い選手や新しい選手を使いやすい状況が生まれるので、逆の傾向になってもおかしくないので、意外な結果といえる。
表1 J2の各チームのスタメン平均年齢 (※ 7節のスタメンで集計)
| | 2011年 | 2012年 | 比 | ロンドン・リオ世代 | 30代・40代 |
1 | 湘南 | 26.64 | 22.27 | -4.37 | 7 | 0 |
2 | 京都 | 22.45 | 23.91 | +1.46 | 5 | 1 |
3 | 岡山 | 24.73 | 24.64 | -0.09 | 3 | 1 |
4 | 愛媛FC | 25.18 | 24.91 | -0.27 | 4 | 2 |
5 | 栃木SC | 25.36 | 25.09 | -0.27 | 3 | 0 |
6 | 北九州 | 24.73 | 25.18 | +0.45 | 4 | 2 |
7 | 大分 | 24.55 | 25.27 | +0.72 | 3 | 2 |
7 | 福岡 | 25.18 | 25.27 | +0.09 | 3 | 1 |
9 | 富山 | 27.73 | 25.73 | -2.00 | 2 | 1 |
10 | 草津 | 25.73 | 25.82 | +0.09 | 2 | 2 |
11 | FC岐阜 | 25.27 | 26.00 | +0.73 | 3 | 2 |
12 | 水戸 | 26.82 | 26.18 | -0.64 | 2 | 3 |
12 | 東京V | 28.00 | 26.18 | -1.82 | 4 | 4 |
12 | 町田 | | 26.18 | | 3 | 3 |
15 | 熊本 | 25.55 | 26.36 | +0.81 | 3 | 2 |
16 | 松本山雅 | | 26.73 | | 0 | 2 |
17 | 甲府 | 29.45 | 27.00 | -2.45 | 2 | 2 |
18 | 鳥取 | 28.18 | 27.18 | -1.00 | 3 | 5 |
19 | 千葉 | 27.09 | 27.36 | +0.27 | 1 | 2 |
20 | 徳島 | 28.55 | 28.09 | -0.46 | 1 | 4 |
21 | 横浜FC | 25.91 | 28.45 | +2.54 | 2 | 4 |
21 | 山形 | 26.55 | 28.45 | +1.90 | 1 | 4 |
| | 26.01 | 26.01 | ±0.00 | 61 | 49 |
■ J1のスタメン平均年齢一方、J1の各クラブのスタメン平均年齢は、表2のようになった。面白いことに、J2の場合は、昨年10月末に集計したときと、全体の平均年齢は全く変わらなかったが、J1は、「27.17歳(=2011年)」から「26.30歳(=2012年)」になっていて、大幅に平均年齢を下げている。
目立つのは、清水エスパルスで、「25.55歳」から「23.36歳」に下がって、J1では、最年少となった。この数字は、J2を含めても、湘南に次いで2番目という若さで、若いチームと言われることの多い京都サンガよりも下である。スタメン11人のうち、6人がロンドン世代で、30歳オーバーの選手はゼロだった。ゴトビ監督になって2年目となる清水も、今シーズンは、躍動感の溢れるサッカーを見せているが、このチームも若さが武器になっている。
他に目に付くのは、鹿島アントラーズである。ここ数年、「若返りが必須」と言われ続けてきたが、スタメンの平均年齢は、「27.91歳」から「25.55歳」になって、J1の中では、もっとも平均年齢を下げている。ただ、結果が出ておらず、世代交代に成功しているとは言い難い。今後、MF柴崎、MF梅鉢、MF土居、DF昌子といった高卒2年目の選手が、どこまで成長できるか。
前述のように、J1は、平均年齢を大きく下げているが、清水と鹿島以外にも、鳥栖、大宮、柏、磐田、広島、川崎F、神戸、名古屋が、平均年齢を、1歳以上も下げている。ロンドン世代の選手も増えてきて、若手の台頭が目立つ転換期のシーズンになっているといえる。
しかしながら、その流れに逆行しているのチームもある。横浜FMと浦和の2チームで、昨年と比べて、平均年齢を2歳以上も上昇させている。38歳のDFドゥトラが加わった横浜FMについては、仕方がないところもあるが、意外なのは、浦和である。ペトロヴィッチ監督になって、チームが生まれ変わって、アグレッシブなサッカーを見せているが、FWポポ、MF阿部という30代の選手が加入して、DF坪井、MF平川といった79年組もレギュラーを奪取したので、スタメン11人のうち、30歳以上の選手が6人もいて、ベテラン中心の構成になっている。
面白いのは、首位を走る仙台である。このチームは、ロンドン世代の選手も、30代の選手もおらず、25歳・26歳・27歳・28歳・29歳の選手だけでスタメンを構成している。ここまで、年齢が固まっているのでは、仙台だけで、「同年代であること。」が、結束力を生み出している可能性もある。
表2 J1の各チームのスタメン平均年齢 (※ 5節のスタメンで集計)
| | 2011年 | 2012年 | 比 | ロンドン・リオ世代 | 30代・40代 |
1 | 清水 | 25.55 | 23.36 | -2.19 | 6 | 0 |
2 | 鳥栖 | 26.00 | 24.73 | -1.27 | 3 | 1 |
3 | 大宮 | 26.45 | 24.91 | -1.54 | 4 | 0 |
4 | 新潟 | 24.91 | 25.00 | +0.09 | 2 | 1 |
5 | C大阪 | 25.55 | 25.27 | -0.28 | 4 | 1 |
6 | 柏 | 26.91 | 25.55 | -1.36 | 3 | 1 |
6 | 鹿島 | 27.91 | 25.55 | -2.36 | 4 | 4 |
8 | 磐田 | 27.91 | 26.00 | -1.91 | 1 | 3 |
8 | 札幌 | 25.82 | 26.00 | +0.18 | 2 | 2 |
10 | FC東京 | 25.91 | 26.18 | +0.27 | 2 | 3 |
11 | 広島 | 28.00 | 26.27 | -1.73 | 2 | 3 |
12 | 川崎F | 28.55 | 26.91 | -1.64 | 1 | 3 |
13 | 仙台 | 27.91 | 27.27 | -0.64 | 0 | 0 |
14 | 神戸 | 29.00 | 27.36 | -1.64 | 2 | 4 |
15 | G大阪 | 28.64 | 27.73 | -0.91 | 0 | 4 |
16 | 名古屋 | 29.36 | 28.27 | -1.09 | 2 | 4 |
17 | 横浜FM | 25.82 | 28.36 | +2.54 | 1 | 4 |
18 | 浦和 | 26.27 | 28.73 | +2.46 | 0 | 6 |
| | 27.17 | 26.30 | -0.87 | 39 | 44 |
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