■ 第19節J1の第19節。9勝6敗3分けで勝ち点「30」で5位の川崎フロンターレと、4勝5敗9分けで勝ち点「21」で12位の浦和レッズが等々力競技場で対戦。両チームは、7月13日に行われた第4節でも対戦しており、このときは浦和のMF原口とDF永田がゴールを挙げて、2対0で勝利している。
ホームの川崎Fは「4-2-2-2」。GK相澤。DF田中裕、井川、菊地、小宮山。MF田坂、大島、山瀬功、登里。FWジュニーニョ、小林悠。ようやくコンディションが戻ってきたMF中村憲がベンチ入り。MF稲本は欠場。静岡学園出身でルーキーのMF大島はリーグ戦で2試合連続スタメン。MF大島は1993年1月生まれなので「リオ世代」となる。
対するアウェーの浦和は「4-2-3-1」。GK加藤。DF高橋峻、スピラノビッチ、永田、平川。MF鈴木啓、柏木、マルシオ・リシャルデス、山田直、原口。FWデスポトビッチ。久々に日本代表に招集されたMF山田直は今シーズン4回目のスタメン。初めて日本代表に招集されたMF原口は15試合で6ゴールを挙げている。
■ レッズが逃げ切り試合は前半10分にアウェーの浦和が先制する。こぼれ球を拾ったMF山田直が頭でつないでMF柏木にボールが渡ると、MF柏木がDFラインの裏にスルーパスを送る。このボールに反応したMFマルシオ・リシャルデスに対して、DF小宮山が対応し、クリアしようとするがクリアミスでオウンゴールとなって、浦和が先制する。
ホームでは7勝1敗1分けと好成績を残している川崎Fは、ロンドン五輪代表候補のMF登里が積極的なプレーを見せて攻撃を活性化させる。MF中村憲がベンチスタートながら、まずまずリズムよくボールが回って攻め込んでいくが、ラストの精度を欠いてゴールは奪えず。前半は1対0で浦和がリードして折り返す。
後半開始から川崎Fは、MF大島に代えてMF中村憲を投入。MF中村憲のところでタメができて支配率も高くなる。しかし、相変わらずいいところまで行くものの、あと少しのところでゴールを奪うことはできない。終盤になると、両チームともに足が止まってきてカウンターが多くなると、川崎Fは、後半35分にカウンターでMF楠神のスルーパスから裏に抜け出したDF田中裕がGKと1対1のチャンスを迎えるが、浦和のGK加藤が好セーブを見せて同点ならず。
結局、最後まで集中して守りきった浦和が1対0で勝利。勝ち点「24」として10位に浮上した。
■ 新守護神・GK加藤順大浦和はこれでリーグ戦は8試合負けなし。この日もシュートは5本だけだったので、押され気味の展開になることも少なくないが、堅い守備で最少失点に抑えて、少ないチャンスを生かして勝ち点を稼ぐという戦いができるようになってきた。この試合でヒーローになったのはGK加藤。ほとんどミスもなく、川崎Fの攻撃をストップした。
前節は、前半早々にレッドカードを受けて退場となったが、ナビスコカップで出場停止分を消化し、スタメンに復帰。GKの場合、出場停止や怪我等で休んだ場合、チームが勝利するとそのままポジションを奪われるケースもあるが、ペトロヴィッチ監督はGK加藤をファーストチョイスと考えているようで、GK加藤に戻してきて成功した。
GK加藤は、ユースからトップチームに上がって9年目となるが、先日の大宮ダービーがリーグ戦初出場なので、ずっと下積み生活で苦労してきた選手である。ただ、足元も巧みで、飛び出すタイミングもよくて、キャッチングも安定している。プロで実践経験がほとんどない選手とは思えないほどのプレーを見せている。
また、ボールをキャッチしたあとに見せる「倒れ込みながらのロングスロー」は一見の価値がある。距離もスピードも出るので、浦和の武器の1つとなっている。
■ 日本代表トリオ8月1日からスタートする日本代表合宿に、MF原口、MF山田直、MF柏木の3人が参加する予定になっていて、この試合はザッケローニ監督も視察に訪れていたが、一番アピールできたのは、MF山田直だろう。
先発は4試合目となったが、うまくスペースを見つけて、いいところでボールを受けて攻撃に絡んだ。MF山田直の場合は、「フル代表」というよりは「ロンドン五輪代表」に絡んできてほしい選手であるが、ここに来てようやく出場時間も増えてきている。
また、最近好調のMF柏木は、高いレベルのプレーを見せた。先制ゴールにつながったパスは見事で、ザッケローニに、まずまずのアピールができたといえる。中盤は超激戦区なので、メンバーに残るのは大変であるが、最近の状態を見ていると、8月10日の日韓戦のメンバーに入っても不思議ではない。
■ 新外国人のFWデスポトビッチ浦和は、FWデスポトビッチが入ったことで、前でボールが収まるようになったことも大きい。FWエジミウソンはポストプレーが得意なタイプではなくて、ゴール付近で力を発揮するタイプだったが、FWデスポトビッチは相手を背負ったときのプレーも上手で、キープ力もある。
リーグ戦ではまだゴールは生まれていないが、浦和の場合、2列目の選手は得点力を備えている選手が多いので、FWデスポトビッチがゴールを量産する必要もなく、今回の補強は、チーム事情にマッチした効果的な補強となっている。
■ 川崎Fは攻めきれず一方、怪我人続出の川崎Fは、相性のよくないホームでの浦和戦で完封負け。2連敗で今シーズン7敗目となった。首位の横浜FMが勝利したため、勝ち点差は「10」となって、首位争いからは脱落する形となった。ボールを回しは悪くなくて、アタッキングエリアにボールを運ぶことは出来ていたが、最後のところで合わないシーンが目立った。
監督に就任して1年目で相馬監督は奮闘しているが、攻撃の軸となるべきFWジュニーニョの調子が上がって来ずに、決定的な仕事をする選手がブレーキになる試合が何試合か見られる。怪我でもない限り、スタメンから外すのも難しく、調子が上がってくるのを待つしかない。
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