■ グループGACLのグループG。2勝2敗でグループ3位のセレッソ大阪がアウェーでアレマ・インドネシアと対戦。アレマ・インドネシアは1分け3敗ですでにグループリーグ敗退が決定している。長居スタジアムで行われた第1節はC大阪がFWホドリゴ・ピンパォンの2ゴールの活躍で2対1で勝利している。
C大阪は<4-2-3-1>。GKキム・ジンヒョン。DF高橋、茂庭、藤本、丸橋。MF中後、マルチネス、倉田、清武、乾。FWホドリゴ・ピンパォン。MFキム・ボギョン、DF上本は怪我のため欠場。DF藤本、MF倉田がスタメン出場。
■ C大阪が勝利勝って最終節の山東魯能戦でグループリーグ突破を決めたいC大阪だったが、立ち上がりは低調。暑さの影響もあったのか、全体的に動きが重くて、パスミスが続いてしまう。やや押され気味であったが、前半31分に待望の先制ゴールを奪う。左サイドでボールを持ったMF乾のパスからMF倉田がヒールで落とすと、MF清武がゴール前に侵入。ダブルタッチで鮮やかに相手をかわしてから右足シュート。アウェーで貴重な先制ゴールを奪う。
さらにC大阪は前半43分にもMF乾が中央をドリブルで突破。相手DFを引きつけてから右サイドのFWホドリゴ・ピンパォンにラストパスを送ると、FWホドリゴ・ピンパォンがフリーで持ち込んでシュート。2点目を奪う。前半は2対0とC大阪がリードして折り返す。
後半開始早々にも、C大阪は左サイドを崩すとDF丸橋のクロスを中央のMF乾がボレーで決めて3点目を挙げる。さらに後半16分にもMF中後のスルーパスからMF乾が落ち着いて相手GKのタイミングを外してからシュート。4点目を挙げる。MF乾は2ゴール1アシスト。
その後もC大阪は何度も決定機を作るが、相手DFの奮闘もあって追加点は奪えず。しかしながら、4対0というスコアで圧勝。アウェーで初勝利を挙げた。もう1試合は全北が山東魯能に2対1で勝利したため、全北のグループリーグ突破が決定。C大阪は最終戦で山東魯能に勝つか引き分けると初のグループリーグ突破が決まる。
■ 勝つか、引き分けるかで突破が決定初めてアジアのステージに挑戦しているC大阪は、今シーズン、アウェーでは4試合で3敗1分け。わずかに1ゴールしか奪えていなかったが、アレマ・インドネシアに4対0で勝利して、アウェーで初勝利。ホームで行われる山東魯能との最終節に負けなければ初のグループ突破が決まることになった。
全北は山東魯能に勝利したので4勝1敗となって2位以内が確定。全北は最終節がホームでのアレマ・インドネシア戦となるが、勝つか、引き分けるかで、グループ首位が決定する。グループリーグを首位で通過すると、決勝トーナメントの1回戦がホームゲームとなるので戦いが有利になるが、C大阪は全北を上回って首位に立つにはC大阪が勝つのはもちろんのこと、全北が負けて、さらに得失点差でも上回らないといけない。
ただ、ここまでは、全北が「+6」で、C大阪が「+3」なので、全北が1点差負け、C大阪が1点差勝ちでは得失点差で届かないことになる。したがって、この試合で、あと1点取れていればよかったが、アウェーの過酷な状況でそこまで求めるのは酷で、警告を受けて山東魯能戦は出場停止となるMFマルチネスを下げてMF山口を試したり、DF茂庭を温存したりと、調整も行った。全北がホームでアレマ・インドネシアに敗れること自体が考えにくいので、首位通過の条件は厳しいが、最終戦は、一応、得失点差のことも考えて、早い時間に先制点を奪って、したたかに追加点を狙っていきたい。
■ MF乾貴士 2ゴール1アシスト①勝利の立役者となったのは、2ゴール1アシストのMF乾貴士。清武の先制ゴールにも絡んでおり、チームが挙げた4ゴール全てに絡む大活躍だった。
シーズン序盤は低調なパフォーマンスが続いており、ACLの第2節の山東魯能戦では前半のみで交代させられるという屈辱的を味わったが、3月末の本代表合宿に参加した頃から、著しく調子を上げてきており、今年の公式戦は8試合で4ゴール。先日のアルビレックス新潟戦でもゴールを決めており、すでに昨シーズンの公式戦のゴール数の「5」に近づいてきている。
MF乾は、シーズン前の段階から、今夏に海外のクラブに移籍するのでは?という噂があるが、今のパフォーマンスを考えるといいオファーが届くことは十分に考えられる。
■ MF乾貴士 2ゴール1アシスト②MF乾というと、野洲高校のセクシーフットボールの典型のような選手であり、ドリブル突破とテクニックに定評があるが、運動量や守備力には課題を抱える選手という評価もあるが、実際にはそういうことはなく、昨シーズンは、むしろ、運動量や守備面での貢献が光った。C大阪に移籍してきた当初は、ほとんど守備をしなかったが、数年ですっかりと変わってしまった。
その一方で、持ち味のドリブルで相手を切り裂くようなプレーはほとんど見られなくなって、昨シーズンは、やや物足りないシーズンとなってしまった。現代サッカーでは、ドリブルで中央を突破するプレーは簡単ではないので、そういったプレーができなくなるのも仕方がないことであるが、最近のMF乾は、その得意のドリブルが復活しており、中央を突破するシーンが目立ちに目立っている。この試合の2点目となったFWホドリゴ・ピンパォンのゴールもMF乾の高速ドリブルが起点になった。
このキレキレの状態がいつまで続いくのかは分からないが、プレーヤーとして殻を破りそうな勢いがある。エースとしての自覚も出てきており、ステージが上がったような感じである。
■ DF丸橋がアシストMF乾の1点目のアシストしたのは左サイドバックのDF丸橋。昨シーズンの途中に左サイドバックのレギュラーに定着し、アジアカップの予備登録メンバー50人にも選ばれている期待のサイドバックであるが、今シーズンは低調なプレーが続いており、出来がいい試合を探すのが難しいほどであるが、持ち味のクロスでアシストを記録。いいきっかけにしてほしいところである。
C大阪は、両サイドバックを極端に高い位置に上げるチームであるが、MFアマラウに代わってMF中後が入った影響もあって、カウンターのケアが十分に出来ておらず、開幕から両サイドの裏を突かれるシーンが多く、サイドバックにも大きな負担がかかっている。同じようにDF高橋も苦労しているが、C大阪にとっては、サイドバックの攻撃参加は生命線であるので、何とか、周囲との連携を高めて、昨シーズンのようなパフォーマンスを期待したいところである。
■ DF扇原がデビューU-22日本代表にも選ばれているDF扇原がこの試合でプロデビューを果たした。昨シーズンは病気もあって戦列を離れる時期が長かったが、シーズン終盤には試合に出場できるコンディションにまで回復し、ベンチ入りも果たしていたが、なかなかデビューのチャンスはなく、公式戦の登場はお預けになっていたが、点差もあいて、DF茂庭を休ませる意味もあって、センターバックでプレーした。
ほとんど攻められるシーンがなかったので、特に目立ったシーンはなかったが、デビューできたというのはめでたいことである。センターバックでもプレーするが、C大阪としてはボランチとして期待しているようで、同じ長身dレフティのMFマルチネスの後継者になることが期待されている。MFマルチネスがいると、同じタイプを中盤に並べることになるので、やや使いづらいところもあるが、アピールを重ねてもらいたいところである。
■ 残念だった松木安太郎氏&田畑アナ試合前は、難しい環境の中でどうなることかと思われた試合は、案の定、序盤は環境にも戸惑って本来の動きを見せられなかったC大阪であるが、先制ゴールで相手のモチベーションが落ちたこともあって、その後は余裕の展開となった。
ミスも多かったが、C大阪は4ゴールを奪っており、最終節で引き分け以上で突破が決まるというシチュエーションを作ることができたので、ミッションは達成したといえるが、中継をしたBS朝日の松木安太郎氏と田畑祐一アナにやや水を差される形になった。
確かに得失点差を考えると、ゴール数が多いに越したことはないが、ACLでは当該チーム同士の成績が最優先になるので、最終的に、得失点差が絡んでくる可能性はかなり低い。6ゴールを奪うことで暫定で首位に立てたので、意味がないとは言わないが、疲れを残さないことや、山東魯能戦で出場停止の選手が出ないことや、出場機会に恵まれていない若手にチャンスを与えることの方が大事であり、何が何でも「6点差以上」という訳でもなかったが、田畑祐一アナの実況を聞いていると、「6点差以上をつけないと失敗」のような感じを受けてしまう。
視聴者の興味をつなぐために、「6点差以上」を連呼したのかもしれないが、ACLを観ているくらいの人になると、何が優先されるべきかは分かっているので、逆効果のように思える。田畑祐一アナはともかくとして、ACLでは落ち着いた解説で好評の松木安太郎氏までも、「6点差以上」を連呼していたのはちょっと残念であった。有料ではあるが、スカパーにはレベルの高い実況アナと解説者がいるので、どうしても比較されてしまう。今後も、ACLを独占中継するのであれば、レベルアップを期待したいところである。
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