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【鳥栖×C大阪】 成長を続ける乾貴士と香川真司 | | このエントリーを含むはてなブックマーク |

2008年10月23日
■ 5位と6位 

37節で山形、38節で横浜FCを下し、2連勝中。5位につけるサガン鳥栖が6位のセレッソ大阪と対戦。

ホームの鳥栖は<4-4-2>。GK室。DF長谷川、柴小屋、内間、谷田。MF島嵜、船谷、高橋、野崎。FW藤田、廣瀬。守備の要のDF飯尾は警告累積のため出場停止。

対するは、勝ち点差「4」で5位の鳥栖を追うアウェーのC大阪。システムは<3-6-1>。GK山本。DF前田、羽田、藤本。MF濱田、ジェルマーノ、酒本、ジウトン、乾、香川。FWカイオ。10月12日に行われた天皇杯のソニー仙台戦に続いて、2試合連続で3バックを採用した。

■ 香川の先制ゴール

立ち上がりは鳥栖が優勢。不慣れなC大阪の3バックの裏を突く効果的な攻めで、サイドの攻防を制する。しかしながら、前半44分に中央のMF乾のスルーパスを受けたMF香川が相手DF2人のマークに合いながらも右足でネットを揺らしてC大阪が先制。

後半も立ち上がりは鳥栖が攻め込む。しかし、C大阪の最終ラインが体を張った守備で対応。すると、後半15分に左サイドでボールを受けたMF香川のスルーパスを受けたMF乾が角度の無い位置からうまくゴールに流し込んで2対0とする。さらに、続けざまに、後半18分にもMF乾が決めて3点リードを奪う。

3点ビハインドとなった鳥栖は、FW廣瀬を中心に反撃するも、後半35分にFW廣瀬のラストパスを受けたMF高地が押し込んだ1ゴールのみ。後半39分にも、右サイドのMF酒本からのクロスをファーサイドのMF香川がヘディングで叩き込んで4対1。生き残りをかけた戦いは、C大阪が勝利し、昇格の望みをつないだ。

■ 2ゴール1アシストの乾貴士

C大阪は1トップ下で起用されたMF乾とMF香川の同級生コンビがともに2ゴール1アシストの活躍。この二人のコンビネーションは抜群で、随所でイメージがシンクロし、ビッグチャンスを作った。

6月17日に横浜Fマリノスからレンタルで加入したMF乾は、これで24節から15試合連続スタメンを果たし、その間、5ゴール4アシストの活躍を見せている。2007年に横浜FMに加入して以降、なかなか出場機会に恵まれずに苦しんできたが、ようやく、レンタル先で才能が花開いた。

加入当初は、オープンな展開でしか攻撃的な良さを発揮できず、消えてしまう試合も少なくなかったが、試合を重ねるごとに改善されていって、好不調の波も少なくなってきた。

様々な見方ができるが、おそらく、横浜FM在籍のままであったならば、この時期に、これだけの活躍は出来なかっただろう。もちろん、レベルが一段下のJ2リーグに移籍したという理由もあるが、MF山瀬功、MFロペス、MF狩野ら同ポジションにタレントのいるチームでは、これだけ、継続して試合に出場し続けることは困難であり、早急に結果を求められる状態が、彼のドリブルのセンスやひらめきを封印した。

例年、超高校級と言われる選手がJ1のトップクラブに入団するが、Jリーグ全体のレベルが上がっている昨今、そこですぐに出場機会を得るのはほぼ不可能で、停滞する選手が少なくない。だから、本当、自分を生かせるクラブを選択すべきだが、それは、18歳の若者には難しい。そういう意味では、MF乾は、埋もれかける前にC大阪からオファーが届いて幸運だった。

来シーズン以後、横浜FMに復帰するのか、C大阪に残るのかは分からないが、彼の人生を左右する大きな移籍となっている。

■ 2ゴール1アシストの香川真司

日本代表から戻ったMF香川真司も、MF乾と同じく、2ゴール1アシスト。特に、0対0の前半44分に挙げたゴールは、試合の行方を左右する大きなゴールだった。

MF香川はリーグ戦では、ここ7試合の間で、5試合連続を含む7ゴールと量産体制に入っていて、シーズントータルでも11ゴール。好調さはシュート数の多さにも表れており、五輪前が22試合で39本(平均1.77本)であったのに対して、五輪後は、8試合で29本(平均3.63本)。五輪代表での活動が終わって、クラブに専念しやすい状況になったことで、昨シーズンの好調時の勢いを完全に取り戻した。

ゴールを量産している理由として考えられるのが、クロスに対する感覚の鋭さが増したことであり、ファーサイドからいい形で中央に飛び込んでクロスに合わせるプレーの質が向上し、多くのゴールを生みだしている。

先日の日本代表のUAE戦でも途中出場ながら3度のゴールチャンスをつかんだが、これは決して偶然では無い。先制ゴールに関して、本人は「ごっつぁんゴール」と謙遜していたが、ゴールのための感覚的な何かをつかんだのかもしれない。

■ 3バックの効果

瀬戸際のC大阪は3バックに変更して2試合目。<3-6-1>にしたことで、ウイングバックのMF酒本とMFジウトンの位置で楽にボールが持てて、ポゼッション力が向上した。守備面でも、DF羽田が中央でカバー役に徹することができるので、相手のカウンターへの対応力が増した。

一方で、マイナス面は、FW小松をベンチに下げざる得ないことによる前線のパワーダウン。この試合のように、MF香川とMF乾が積極的にゴールチャンスに絡んでいければ問題ないが、1トップのFWカイオが封じられた時に、攻め手がなくなる可能性はある。

■ 気を吐くFW廣瀬

一方の鳥栖は、よもやの大敗となった。試合の立ち上がりはいいペースで流れをつかんだが、前半の早い時間にゴールに結びつけることが出来なかったのが、結果に響いた。中盤のタレント力では劣る鳥栖だけに、極力、失点は避けて、ロースコアの展開に持ち込みたかったが、前半44分のMF香川のゴールで全てが狂った。

そんな中で気を吐いたのが、FW藤田と2トップを組んだFW廣瀬。38節の横浜FC戦と、天皇杯3回戦で2試合続けて2ゴールをマークしているのがよくわかる自信を持ったプレーぶりだった。

チーム全員で守って粘り強く戦うスタイルの鳥栖には、個人で仕掛けられる選手は少ないが、この状態のFW廣瀬であれば、残り試合で、他の上位クラブのエースに負けないだけの重要な仕事ができる。


[セレッソ大阪 2007-2008年]

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