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香川真司のA代表デビュー戦に思うこと | | このエントリーを含むはてなブックマーク |

■ 18分間のデビュー戦

出番は後半29分に回ってきた。ピッチ上でプレーした時間は、ロスタイムを含めて18分間。コートジボワール代表に押されている時間帯が続いたので、見せ場といえるシーンは、右サイドからFW大久保を目掛けてクロスを放ったシーンのみと、かなり控え目なデビュー戦だった。

日の丸をつけたMF香川真司のプレーしか見たことのない人は、コートジボワール戦のMF香川を見て、「A代表レベルには無い。」と判断したかもしれない。そのように考えた人がいてもおかしくはない。セレッソ大阪の試合が、地上波で放送されることはほとんど無いからである。

ただ、継続してJ2(セレッソ大阪)の試合を見ている人の中で、「MF香川は、まだA代表レベルでは無い。」と考える人は、ほとんどいないだろう。というよりも、誰もいないだろう。

昨シーズンの成績は、35試合に出場して5ゴール12アシスト。平均ドリブル・ラン数(ドリブルなどで、自ら仕掛けるプレーを1回記録するのに要する時間)は、FWフッキに次いでリーグ第2位。今シーズンも、開幕から14試合連続でスタメンフル出場し、3ゴール。相手チームのMF香川に対する警戒は、熾烈を極めている。


※ 2007年のJ2リーグの成績

選手名所属出場時間(分)ドリブル・ラン平均ドリブル・ランゴールアシスト
フッキ東京V36936635.573714
香川真司C大阪27763348.31512
アジエル湘南36874418.361211
ロペス仙台37054059.15147
関口訓充仙台214620410.5222
久永辰徳福岡329629511.1711
西谷正也札幌298123312.79107
塩川岳人徳島295122912.8901
田中佑昌福岡365428013.0557
ダヴィ札幌340324513.89171
チェッコリ福岡287420114.3012
森脇良太愛媛316920415.5313
中島裕希仙台351421316.50105
金澤大将水戸407224216.8326


■ 香川真司の持ち味

「ドリブル」と「運動量」と「判断力」に優れるアタッカータイプの選手であるが、彼の最大の長所は、「長期に渡って、継続して好プレーが続けられる安定感」であると考えられる。

通常、若い選手には波がある。1試合や2試合という短期スパンであれば目を見張るパフォーマンスが出来る選手はいるだろう。ただ、MF香川ほど、長期にわたって継続してフル出場を果たし、なおかつ、ハイレベルなパフォーマンスを続けられる若手選手は、Jリーグにおいては、現状、誰もいない。

それが、岡田監督に見出された部分であり、他の選手を差し置いて代表に呼ばれる要因だろう。

■ 周囲に与える効果

プレー面においては、出場時間が短かったこともあって、インパクトの少ないデビューとなったが、周囲に与えた影響は小さくない。

2006年にドイツW杯に出場した日本代表チームの中で、最年少は25歳のDF駒野とDF茂庭の二人だった。ジーコ政権下では、北京五輪世代(1985年以降に生まれた選手)の抜擢は無かった。実績を重視した選手選考は、分かりやすいと言えば分かりやすかったが、マンネリ化しパワーを生み出すことは無かった。

その後、オシム監督は、北京五輪世代を積極的に起用していたが、その土壌もあって、ここにきて、ロンドン世代の旗手であるMF香川が代表にデビューすることになった(戦後では史上5位の年少記録)。

これは、同じU-20世代はもちろんのこと、その上の北京五輪世代、その下の高校年代、さらにはJ2全体に与えるプラスの影響は、計り知れない。J2の横浜FCでプレーするFWカズもは、「彼(香川)は、ぼくらJ2の代表。同じピッチにいるのは刺激になる」と語っている。

■ 飛び級の先輩

飛び級でプレーした選手で思い出されるのは、MF中田英寿。彼も早生まれの選手ではあったが、95年のワールドユースと96年のアトランタ五輪に飛び級で出場した。しかも、単にメンバー入りしただけではなく、共にチームの中心としてプレーしている。

MF香川は、すでに07年のワールドユースに飛び級で出場し、さらには北京五輪出場も見据える。A代表、五輪代表、U-19代表にセレッソ大阪の試合と、4つのチームを掛け持ちすることになる。

■ 香川に求められること

香川がセレッソ大阪とプロ契約を果たしたのは、高校2年生だった2006年12月のことである。すでにU-17日本代表にも選ばれてはいたが、Jクラブの下部組織以外からの飛び級によるプロ契約締結は日本サッカーでは初めてのことである。

その当時、セレッソ大阪とともに、MF香川にプロ契約のオファーを出したのは、FC東京であった。結局、地元(神戸)に近いクラブということでC大阪に入団することになったが、FC東京に入団していたらどうなったのだろうか、と考えてみるのも面白い。(→ 関連記事

とにかく、コートジボワール戦を終えて、期待の若手プレーヤーから、日本代表プレーヤーとなった。わざわざ言うまでもないが、今後は、日本代表選手として、さらに高いレベルのプレーが求められる。

日本代表に課せられた大きな使命は、「世界に通用するチームを作ること」であり、「ワールドカップで好成績を残すこと」であるが、日本代表の存在意義は単に強いチームを作って世界大会で活躍することだけにとどまらない。日本代表を経験した選手が、その次の段階で、どのようにプレーヤーとして成長を見せていくのか、を見続けていくことも、サポーターに課せられた使命である。

実際に、過去にも、日本代表をステップにプレーヤーとして飛躍を果たした選手は少なくない。

先日、代表を引退したMF加地亮はその典型であり、J1の中でも地味な存在であった右サイドバックがAマッチを経験することで、インターナショナルでも通用するサイドバックに成長していった。MF鈴木啓太、MF中村憲剛といった選手も、日の丸の試合を経験することで、大きな成長を遂げた。

日の丸という刺激を受けて、MF香川真司はどう変わるのであろうか?MF香川真司という刺激を受けて、日本代表チームや日本サッカー界はどう変わるのだろうか?


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2008/05/26 セレッソ大阪 トラックバック:- コメント:0














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