ここまで7敗2分で勝ち点「2」の最下位に沈むジェフ千葉。
現時点での問題点と今後の解決策を探る。
問題点① ディフェンスの甘さここまでの9試合で21失点というディフェンス力では、安定した戦いを続けるのは難しい。特に気になるのが、ミドルシュートでの失点が多いことである。第2節の清水戦はFW岡崎、第6節の大宮戦はMF片岡に試合終了間際にミドルレンジからゴールを許して、勝ち点を失うことになった。
確かにGK立石、GK岡本の二人は、決してレベルの高いキーパーでは無い。ただ、キーパーだけの責任とはいえないだろう。中盤のプレッシャーがうまくかかっていないこととDFラインが引きすぎていることが原因で、相手の中盤の選手にフリーに近い状態でシュートを打たれるケースが多い。
② ビルドアップの問題攻撃陣は9試合で8ゴール。攻撃のタレントを見れば駒はそろっているが、なかなかうまい具合に攻撃が出来ずに先制点を奪っても突き放すことができずに逆転負けという試合もある。
攻撃面で気になるのは、アタッキングエリアに入ることができれば、MFフルゴビッチやFW青木、MF馬場といったタレントが威力を発揮していい形を作ることができるが、ビルドアップに大きな問題があるので、なかなかうまい具合にアタッキングエリアに侵入することができない。
これには守備のまずさも影響しており、引いて守ることが多いのでいい形でボールを奪うケースが少なく、ボールを奪ったとしても、低い位置であることが多いので、相手にプレッシャーかけられて、最終的にはDFラインからロングボールを蹴り込んで安易にボールを失うことが多い。
パス回しの中心はMF下村で彼は中盤で奮闘しているが、ボール回しにおいては過剰な負担がかかっており、相手にとってはMF下村がプレスの狙い目になっている。
③ 定まらないスタメン結果が出ていないので仕方のない面もあるが、ここまでは怪我人が多いことも重なって、毎試合のようにスターティングメンバーが変更になっている。これは、決していいこととはいえない。
FW巻、MFフルゴビッチ、MF下村、DF坂本、DF斉藤、DFボスナーは不動だが、それ以外の選手は週替わりで起用されており、華々しい活躍を見せる選手がいないこともあって、一向にメンバーは固定できていない。
今後の改善策① ボランチの補強リーグ戦は13節を終えていったん中断する。それまでに、柏戦、京都戦、大分戦と3試合のホームゲームが残っているが、最低でも2つは勝たなければ、残留争いにすら食い込むことができない。
中断前の試合は現有戦力でやりくりするしかないが、中断期間はチームを変える大きなチャンスである。その間に、もっとも力を入れて補強を考えるべきポジションはボランチである。
現状はMF下村が絶対的な存在で、そのパートナーにはMF中島やMF米倉が起用されるケースが多いが、MF中島はビルドアップのミスが多く守備も軽いプレーが多いため信頼を置くことはできず、MF米倉もポテンシャルは感じさせるが継続して好プレーを期待するのは難しい。よって、MF下村のパートナーがなかなか固定できないのが現状である。
1つのアイディアはサイドで起用されることの多いMFフルゴビッチを左ボランチで起用することである。MFフルゴビッチは本職はサイドプレーヤーだが、ここまでのプレーを見る限り、ボランチも十分にこなせる。186cmという高さも、中盤のフィルター役として活かせるかもしれない。実際に、大宮戦の後半は左ボランチのMFフルゴビッチと左アウトサイドのMF青木孝の連携が非常にスムーズで可能性を感じさせるプレーを見せている。
MFフルゴビッチのボランチは苦肉の策であるが、そもそもMF下村のバックアッパーも見当たらない状況も深刻であり、改善するために、中断期間に余剰戦力となっている日本人ボランチを探してくるべきである。
また、怪我が多く計算のできないFWレイナウドの代わりに新たに新外国人ボランチを探してくるのも打開策の1つといえる。FWレイナウドはボールの持てるチャンスメーカータイプの選手で貴重な存在ではあるが、FW新居やFW青木孝であっても、十分に賄えるとも考えられる。
ダブルボランチが安定すれば、もともとポテンシャルの高い選手が多いので、まだまだ十分に戦っていけるだろう。まずは優先して補強すべきである。
② 前線の組み合わせ実は、フォワード陣は昨シーズンの後半と顔ぶれは変わっていない。FW巻、FWレイナウド、FW新居、FW青木孝の4人がベースである。
中心はやはりFW巻。昨シーズンと比べるとコンディションは良好で、ここまでPKを含めて3ゴール。ポストプレーも安定感を見せており、DFラインから無造作に蹴られるロングボールをしっかりとおさめられるのはFW巻以外には考えられない。
中盤を厚くする意味ではFW巻の1トップという作戦もありではあるが、最下位の状況から追い上げていくには、点取り屋の爆発が不可欠であり、その可能性を持つ唯一の存在がFW新居である。やはり、ベーシックにFW巻とFW新居の2トップがベターだろう。
FW新居は開幕から5試合を欠場し、FW巻も8節と9節を欠場。ここまでは、FW巻とFW新居がスタメンで2トップを組んだことはない。この2トップが組めていないことも苦戦の要因であることは間違いないだけに、FW巻とFW新居でトップがしっかりと固定されれば、チームは落ち着く可能性はある。
③ 中盤の組み合わせ難しいのは中盤の組み合わせである。軸となるのはMF下村とMFフルゴビッチの二人で、それ以外の選手は流動的。だが、パスセンスがあって運動量も豊富なMF工藤、守備面での不安はあるが意外性溢れるプレーが魅力のMF馬場、ドリブルとキープ力に長けたMF谷澤、爆発的なスピードが魅力のMF苔口とタイプの異なるアタッカータイプの駒がそろっている。
悩ましいのはこれらの選手の誰を中心に起用していけば、うまくいくのかがまだ確立されていないことであり、現状ではこの攻撃的MFのポジションがうまく機能させられていないことが、攻守に厚みが出ない要因となっている。
トータルバランスを考えるとMF工藤がスタメンの最右翼だろう。年齢的にもチームでは中堅の部類に入ってきており、チームリーダーという重責を背負って常時プレーさせることもチームを好転させるためにはいいかもしれない。
ただ、MF馬場の存在も捨てがたい。途中出場がほとんどだが、ここ数試合は途中出場のMF馬場のスルーパスが1試合に少なくとも1度や2度は絶好のチャンスを作ってきており、守備面での不安は大きいが決定的な仕事ができる点は魅力である。
④ DFラインの構成最終ラインは、3バックにするか、4バックにするのかが、まず定まっておらず、相手の布陣によってDFラインの枚数を換えてくることが多いが、3バックと言いながら5バックになるケースも多く、引き気味なDFラインを形成することが多い。
ただ、いずれにしても、DFラインの中心はDFボスナー。191cmという長身のDFボスナーは掘り出し物のCBだが、全幅の信頼が置けるわけではなく、単純なミスも少なくない。ただ、彼に頼らざる得ないのが現状である。
サイドバックを見ると、DF坂本は不動。左右両サイドをこなすDF坂本の存在は大きい。が、逆サイドは開幕当初に右サイドでプレーしていたDF松本憲が離脱してからは、非常に人選に苦労している。DF市原、DF益山、DF青木良らを起用してきたが、攻撃はもちろん守備面でも不安は大きく、ウイークポイントになっている。
⑤ 今後の戦いで・・・確かに開幕から9試合勝利が無い苦しい状況であるが、まだシーズンは25試合も残っている。シーズンは始まったばかりであり、残留とか勝ち点とか、そういう目先のことにとらわれず、ジェフらしいサッカーを展開すべきである。
幸いにも、ジェフのサポーターはチームを見捨てていない。
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>>> ルイージさん
どうもご指摘ありがとうございます。オシムさんが監督に就任するまでは、なかなか成績が出ないチームでしたので、オシム時代が特別だったともいえます。
ただ、オシム時代の財産は少なからずあると思いますので、それらをどう生かすかでしょうね。
僕はジェフサポではないのですが、オシムさんが去ってからチームがガタガタ崩れていったっていう印象が強いですね。
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